代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「知らないって、楽しい!~ギャップイヤーから帰還して考えたこと」0421浅子さん写真.jpg


浅子 拓耶(あさこたくや)
※大学卒業し、4月から企業に勤務


社会に出てから早3週間。
そして、半年間の世界一周から帰ってきて2ヶ月が経ちました。

この2ヶ月はどんなことがあったか。

たくさんの友人と久しぶりに盃を交わしました。
旅で出会った人と再会しました。
福井・金沢に行って、日本旅にハマりそうになりました。
旅先や色んな所で、また新たな出会いがありました。
一般企業に入社して、新たな門出を迎えました。

旅写真の整理は全然終わっていません。
書きたいことだっていっぱいあります。

うんざりすることだってあるけれど、今のところは楽しくやってます。

この1ヶ月、色んな人に再会して、色んな人に出会いました。
元からの友達や旅絡みの人と会うことが多いから、だいたい世界一周の話をします。

「世界一周、どうだった?」
「どこの国が一番良かったー?」
「ごはんはどうだった?」

毎日のようにそんな質問を投げる友人がいて、答える僕がいます。

人に話すことで旅中のことを思い出して、クスっとしてしまったり、胸が締め付けられるような重いをすることもあります。

自分の言葉でアウトプットしているはずなのに、誰かの追体験のように聞こえてきてしまう。

「本当に自分があそこに立っていたんだなぁ」

そんなことを考えてしみじみと立ち尽くしてしまうこともあります。

1ヶ月経った今も自分を大きく動かし続けている、188日19ヶ国の旅。

ちょうど旅も終わりに差し掛かった、メキシコのカフェにいた時のこと。
中南米を一緒に旅した相方から、こんな問いが投げかけられました。


「この旅を、一言で表すと?」

一瞬の沈黙の後、僕が発した一言は、

「知らないことって楽しいんだ。と思えるようになった。」

でした。

旅に出る前の自分は...いや、旅に出てからも最初の1ヶ月くらいまでは、知らないということは怖いことであるという認識がありました。

自分を守る術を知らなかったがために犯罪に巻き込まれたら?
お金の知識がないがために大金を騙し盗られたら?
行った国の風習が全然違くて、石を投げられたら?

そう、知らないこと=悪いこと・損なことであると思っていました。
だから本を読もうと思ったり、ニュースを見たり、人から生の声を聞いたりしていました。

旅に出てから1ヶ月が経ったころ...ちょうどタイにいる頃かな。
だんだんと、自分の予定どおりに旅が進まなくなってきていることに気がつきました。

行きたかった場所に行けない。他に行きたい場所ができた。観光に疲れた。居心地のいい場所を見つけた。

理由は様々でしたが、前もって立てた予定通りになんて旅は進みませんでした。

それから5ヶ月は流れに身を任せて、気の向くままに旅を続けました。

あそこに行ってみてくなったからルートを変えよう。
今日はここに行くはずだったけど、この人と遊んでみよう。
ごはんがおいしいから、もうちょっとここにいよう。
この人ともっと一緒にいたいから、滞在を延ばそう。
この人と一緒に旅がしたいから、そのためになんとかしよう。

旅の本や、旅特集が組まれた雑誌なんかを見ていると、必ずといっていいほど「予定通りにいく旅なんて面白くない。自由に、気の向くままに旅をしていると、思わぬ出会いや感動があったりする。」というようなことが書いてあります。

本当にその通りだ。

心の底からそう思い、今までの自分の旅を悔やんだこともありました。

もちろん、地球の歩き方やネットを見て情報収集することも必要ではあります。
最低限の知識が自分の身を守ってくれるから。

でも、予定を組んで意地でもそれを強行する...なんて旅をしていたらもったいないなあ。と、僕は思います。

気の向くままに旅したことで、たくさんの偶然に出会いました。

フィリピンでは誕生日パーティーに招待してもらい、カンボジアに大好きな場所ができ、インドではたくさんの人の現地生活に触れ、イスラエルではパレスチナ人の会社に招待してもらい、エジプトではイルカを見て、スペインでは宿でダンスパーティーをし、アルゼンチンでおじいちゃんの友達ができ、ボリビアでたくさんの友人ができ、ペルーで日本の友達と再会し、メキシコの海に出会い。

数えきれないくらいたくさんの偶然。
言ってしまえば全てが偶然だし、あのタイミングで、あのメンバーでなければこんな素敵な思い出はなかったかもしれない。

何も知らなかった自分が、たくさんの偶然に出会うことであらたな価値観に触れることができた。
何も知らなかったから、現地の人が優しく教えてくれた。

そう、何も知らなかったからこそ、目の前にある光景にただただ感動した。

もし元から全てを知っていたら、旅ってそこまで面白くないんじゃないかと思う。
仮に全てを知っていたら、あんなに感動することってないんじゃないかと思う。

知らないことを知っていくことがこんなに楽しいだなんて、旅前の自分は考えてもいなかった。

今までそれを知らなかったからこそ、新しいことを知ることができる。

なーんだ、知らないって怖いことじゃないんだ。
むしろ、知らないっていうことは楽しいんだ。

この世は知らないことだらけ。
どれだけ知らないことを追い求め続けても、世界の全てを知ることなんてできない。
そんなことができるのは、"全知全能の神"くらいかもね。いるとしたら。


知らないことに胸を踊らせて、日々の学びや発見、気持ちの移り変わりを大切にしていきたい。
そう思うことができたエピソードについてのブログでした。

「あなた旅を、一言で表すと?」

「知らないって楽しいことなんだと、心の底から思えるようになった。」


プロフィール:
浅子 拓耶(あさこたくや)
タイトル「知らないって、楽しい」
ブログURL: http://takuyaasako.blogspot.jp/
Twitter: @TAKU_YEAH
Facebook: Takuya Asako

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