代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「『世界一周×テーマ』による成長の可能性!~理系院生が今考えていること」阪大.jpg



兼若勇基
大阪大学大学院工学研究科 ※世界一周中

 僕は現在、大阪大学の大学院を1年間休学し、「世界一周×エコライフ」というテーマで世界を旅しています。

 大学院で専門的な研究をしているはずの学生が、なぜこの時期に世界一周を?
と疑問に思われる方は多いのではないでしょうか?

 今回一番お伝えしたいのは、タイトルにもあるように、「テーマを持って旅をすることによる成長の可能性」です。

 特に学生や生徒の方で、自分の進路に自信が持てない方もいらっしゃるので、参考になればと思います。

 簡単にご理解いただけるよう、
1.なぜ今世界一周なのか?
2.「世界一周×テーマ」とは?
3.自身のケース:「世界一周×エコライフ」!
4.最後に
の4つに分けて、「世界一周×テーマ」の魅力についてお話しします。


1.なぜ今世界一周なのか?
 まず、実は海外に出るのは今回の旅が初めてです。「よくそんな決心をしたね!」などとよく驚かれます。なぜそのような決断ができたのか?

 昨年(2012年)の春、大学院入学を控えた僕はある不安を抱いていました。大学時代から現在まで、僕はある分野を専攻してきました。しかし、本当にその分野で就職して職務を全うしていけるか、自信がありませんでした。その専門分野にイマイチ興味を見いだせていなかったのです。その原因は、これまで将来的に何がしたいか?何が好きか?をはっきりさせずに、なんとなくの進路選択をしてきたことにあります。

 ところが昨年、転機が訪れました!きっかけは2つ。
1つは昨年3月、世界一周を経験した友人の成長を目の当たりにしたことです。彼は世界を見てきて、自分の進路選択にもまじめに向き合っていました。その姿を見て、これまでの自分を世界一周することで変えられるかもしれない、と思うようになりました。

 2つ目は大学院に入って、心から興味が持てる分野に出会えたこと。大学院生となった僕は、自分の専門分野以外の授業も積極的に取るようになっていました。そこで気づいたのは、「まちづくり」という分野が非常に面白そうだということ!また、自分の人生を振り返ってみて、「自然や環境問題」に興味を持っていることに気がつきました。

 こうなると決心は早かったです。
6月には、自分の人生を変えるために、「まちづくり」と「環境学」を学びながら世界を旅したいと思うようになりました。


2.「世界一周×テーマ」とは?
 ここで僕が紹介させていただくのは、自分の将来につながるテーマを「旅」に組み合わせた新しい旅の形です。今までの学生の海外での過ごし方と言えば、一つの場所でじっくりと学ぶ「留学」、いろんな場所を転々として多くの出会いを得る「旅」の2つがメインだったと思います。しかし、現在は電子書籍、インターネットなどで情報が簡単に手に入る時代。そうした情報をもとにあるテーマを学びながら、その学びに関わる海外の場所を訪れることで、留学と旅の二つの良い点を同時に味わえるわけです。そしてその旅で得られるものは何か?それは経験に裏付けられた圧倒的な知識です。


3.自身のケース「世界一周×エコライフ」!
 では実際に、どういう旅をして何を身につけるのか?僕の旅のテーマ「エコライフ」を当てはめて説明させていただきます。

1) エコライフとは?
 「エコライフ」とは持続的可能な生活のことです。「人と自然が共生しながらの幸福な生活」を指します。

2)旅で何をするか?
 エコライフの実現に向けて、「まちづくり」、「環境学」、「心理学」などの学問を電子書籍で学びながら、環境配慮型のまちを中心に世界を周ります。現地でのまちの様子の観察、暮らしの体感、環境関連の施設の見学などを行います。

3)具体的な訪問地
 環境配慮のまちづくりでは北欧が有名です。具体的な国では、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、ドイツなど。

4)旅で得られるもの
 机の上で学んだことを実際に現地で確認できる、というのが一番の強みです。教科書をただ目で追っているだけでは、なかなか環境配慮の暮らしなんてイメージがわいてきません。逆に何も学ばずにただ現地で観光旅行をしても、あとに何も残りません。そういう意味で、テーマについて学びながら旅をするというのは非常に合理的だと思います。


4.最後に
 ここまできて話の腰を折るようですが、僕は可能ならばギャップイヤーなんて必要ないと思っています。一人一人が将来的にもっと何がしたいかを考えて早くから動いていれば、わざわざ立ち止まる必要なんてないはずです。

 しかし、長い人生の中で誰しも1度は転機を迎えるはず。そんなときにギャップイヤーも選択肢の一つになるということを知っていれば、考え方として楽なんじゃないかと思います。そしてギャップイヤーの形の1つとして、「テーマ性のある旅」もあるんだ、というのを心に止めておいていただけると、僕がこの投稿をさせていただいた意味も出てくるかと思います。

 長文となってしましました。ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。


<プロフィール>
氏名: 兼若勇基
所属: 大阪大学大学院工学研究科
WEBサイト「Road to Ecolife」: http://uk-kanewaka.com
旅のfacebookページ: https://www.facebook.com/RoadToEcolife?ref=hl
twitter: https://twitter.com/y_kanewaka

記事一覧

フロンティア・フォーラムトップページへ戻る

アーカイブ