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日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「理系女子の私が世界に飛び出したワケ」中里さん新写真.jpg

中里和佳(なかさと わか)
芝浦工業大学4年休学中


 私が世界一周に飛び出した理由。
それは、ただ単純に世界一周に行きたかったから。
大きな目的は自分の『夢』を叶えるため。

 幼い頃、海外旅行に行った経験はなかった。でもテレビや本で見る異国の世界に憧れていて、「いつか世界を旅したい、世界一周という大きなことをしてみたい!」そんな夢を持つようになっていた。

 大学1年生のときに初めて異国というものを知った。そこで私の世界は一気に広がり、行動範囲が拡大した。
そこから私は英語の勉強をするようになったし、いつしか世界の絶景の本や旅の本を読みあさり、いろんな旅のイベントに行くようになっていた。

 そして気づいたら「世界一周」が夢ではなく、人生で実現するべきことリストの中に入っていた。3年生の夏頃、自分の人生プランを考えるようになったとき、「世界一周をどのライフステージでしよう?」と真剣に考え、大学生の今しかないと気がついた。社会人になって世界一周は仕事をやめるというリスクがある。

 女性はもし、結婚して子供を産んだら、子どもが自立するまではおそらく無理。そうなったら老後に世界一周?いや、老後に世界を見るなら、若いうちに、しかも就活前の「今」しかない。私は実際に世界一周に行ってきた人、これから行きたいと思ってる人たくさんの人に会って話を聞いた。みんな口をそろえて「行けるなら若いうちに行った方がいい、可能であるなら学生のうちの方がいい」と言っていた。だから休学するまでの決断は一瞬だった。

 そしてもう一つ理由がある。

 私は正直、大学が嫌いだった。大学受験で希望の大学に入れず、学科も自分がやりたいことと違う。大学生活が結構苦痛で、よく授業は休んでたし、一人だけ学科と関係がない授業をとったりしていた。表では元気で楽しいフリをしていたけど、みんなと一緒にいてもなんか孤独だったし、家ではよく泣いていた。社会に出ても自分なんかに価値はないって投げやりになっていたときもあった。将来なんとなくやりたいことはたくさんあったけど、社会に出て本当に何をやりたいのかがわからなかった。

 だから私には自分をリセットする時間、自分が将来本当にやりたいことは何かを探す時間、友達や家族、日本、すべてから離れ、本当にやりたいことだけをやってみる時間が必要だった。

 今はまだ旅の途中だけど 、本当にこの休学という決断は間違ってなかったと思っている。毎日新しい世界に触れ、毎日が新鮮で、毎日が楽しいって思える今、本当に幸せを感じる。世界の問題に直面し、日本がいかに素晴らしい国なのか。それと同時に浮き彫りになる日本の問題。世界と日本が抱える問題を真剣に考え、このすばらしい地球をもっとよくするためには、もっといい日本にするためには自分は何ができるのかということを考えるようになった。

 私のように理系大学ではまだまだ休学ということがあまり認知されていない。休学するというと結構驚かれるし、私の周りで休学してる人はいなかった。旅で出会う休学中の学生はなぜかみんな文系の男子。理系の学生、特に女子学生に出会ったことがない。でも、理系の学生ほど世界を見た後に活かせる技術や問題に直面したときの解決策を考え出せるのではないかと思う。

 好きなことだけを思いっきりやれる1年間があるのは本当に贅沢な時間だし、その中で大学では学べない多くのことを学ぶことができる。大学生のうちに「今」を楽しむ時間、「夢」を叶える時間があってもいい。それはその分だけその人の人生にとって大きなよい影響を及ぼす。必ずしも休学がいいと言ってるわけではなく、休学しないで自分のやりたいことができたり、夢を叶えられるのならそれでいいと思う。でも、夢を叶えるための手段として休学という選択肢が広まって受け入れられていく社会になればと思っている。


プロフィール
中里和佳(なかさと わか)
芝浦工業大学4年休学中
2013年2月からから世界一周旅行中
自身の旅を世界一周修学旅行と題し、世界を学びながら旅中に夢だったアメリカ横断、海外ボランティア、語学留学など、やりたかったことをすべてを実現させる旅をしている。
ブログ;世界一周修学旅行: http://ameblo.jp/world-is-beautiful-2013/
Twitter;move126
Email:nakasatowaka@yahoo.co.jp

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