代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「楽天家の僕から、休学を迷っている人に、もし何か伝えるとしたら」
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竪山裕一
神戸大学経営学部4年生=休学中@LA


 いまカリフォルニア・ロサンゼルスのウエストウッドという土地のスターバックスにいます。向かいに座っている渋い男性は、50代ぐらいの映画監督 Mike。最近作品の構成を変えて忙しくしているらしい。知らない人でも気軽に話しかけられるアメリカのこういう雰囲気は、大好きなところです。

 ということで、僕はいま休学をしてアメリカに来ています。それでは早速、僕が休学した経緯を紹介させていただきたいと思います。


2年生で感じた飢餓感 
 入学式の日に、浪人時代の仲間とイベントサークルを作りました。そこでは、定期的にイベントをやり、そのおかげもあり、多くの友人もできて、それなりに楽しい大学生活を送っていました。

 ただ2年生の半ばぐらいから繰り返されるルーティーンな毎日に、一種の"飢餓感"を感じていました。その日常に対する"違和感"をエンジンに、一昨年の2年生の夏休み約60日を使ってアメリカに留学しました。2年生の夏休みという一番遊べる時期を自分のしたいことに打ち込んだことで、この自分の欲求に素直に従うことが一番自分にとっていいことだと気づく原体験になりました。そこから僕は自分の人生の舵取りを少しは自分で切れるようになり、人生は少しずつ変わってきたと思います。


成長率400%の国内ベンチャー企業で学んだこと  
 話は少し飛びますが、昨年の春(3年生はじめ)から半年間、大阪でインターンをしていました。採用支援を行っているベンチャー企業の関西支社の創業メンバーとしてジョインし、まったく何もできなかった僕ですが、ない知恵を絞ってもがくことで自分の考えが大きく変わるきっかけにもなった思い入れのある大事な期間でした。

そこで学んだことは
・いまを最大化させることで、未来が最大化する
・最速で目標に到達するために必要な考え方
・組織が大きくなる過程

 朝9時から夜の12時までワクワクを感じながら仕事に没頭し、将来のことを相談し合う同期や、関西出張の際は必ず焼き肉に連れて行ってくれる上司など素敵な繋がりもできました。東京本社の方々も、本当に人間として魅力的で「優秀な人が泥臭くやれば無敵」と言葉があるように、そんな言葉を体現す方々でした。当時僕が入ったときは社員が4人の組織でしたが、いまや50人規模の組織になっています。この密度の濃い経験がなければ、いまの自分はほんとにいません。かつて、その方々が僕に与えてくれたように、僕自身も他人にいい影響を与えられるような存在になろうといまも必死に追いかける毎日です。


日本人はいい人が多すぎる。海外での"楽天家"のすすめ
 これまで、なんだかんだ16カ国に行ったことがあるのですが、海外旅行によく行く経験から、日本人はほんとうに人間として出来あがっている人が多いと思います。

最高に過ごしやすくて、特に大きな不満のない国。
そんな島国日本の中で、すべてのことが完結してしまう。
でも外に目を向けることで、日本の偉大さにさらに気づくことも何十回もありました。
日本から出て、日本の魅力をさらに肌で感じられました。
個人的な意見ですが、いまやLCC(低料金航空会社)も発達して、バイトを2ヶ月必死にすれば旅行資金がたまる時代になっているので、大学生は海外旅行にもっと気軽に行ってみるのもいいかと思っています。
言語の壁はもちろんですが、自分の無力さを実感したり、アジア人に対していまだに残る差別感を経験することで、自分の中に新しい経験を積める機会が日本の外にはたくさんあります。

 そういう意味で、ちょっとのことで気にしない楽天家の方には海外で働くのは、その状況を楽しめるという意味で向いてるのかなと思います。友人との旅は、感動や楽しみを共有できる最高の旅だし、一人旅は、自分と本当の意味で対話する反芻の旅。
自分のそのときの状況や感情に合わせて、旅を使い分けるぐらいの気持ちで考えていいかと思っています。

 また、ある程度長期で留学している場合は、世界で働くってこんな感じかーなんて意識しやすいです。
グループワークでチーム分けをし、プレゼンを2日後に設定なんてされると、誰かがリーダーシップをとって役割分担しないと間に合わないことがわかりきっている状況が来ます。そんなときに日本人は比較的リーダーに向いてるかと思います。

 外国人は、ほんとに意見を通したがる人間が多いので、それらの意見を汲み取ってベストなアイディアを提案する力は、一般的に日本人がほかより優れていると感じます。

 最後に、海外にいると普段日本にいるときより"時間を無駄にしないでおこう"という意識が働きます。朝起きてからだらだらしている時間も、睡眠を余分にとり過ぎたりすると、もったいない気がしてはやく行動しようという気にさせてくれる環境がここにはあります。


・日本の偉大さ、魅力の再確認
・世界で働くってこんな感じというイメージ
・効率的な時間の使い方

 以上の3つは真面目なことを書きましたが、大きなモチベーションとしてあるのは、実は「英語を話せたらかっこいい」です(笑)。
半年か1年かそれ以上か、その選択は個人の裁量ですが、「英語使って仕事をしたい」理由は、「かっこいい」と思うからです。もちろん世界でダイナミックに仕事ができてそれに達成感を感じられるはずです。でも根っ子はそれがかっこいいと思えるかの感性のように思います。実際に留学の背景はそれぞれありますが、留学している男性全員のモチベーションの半分近くは共通してこれではないでしょうか。


休学という手段を使うことについて
 今自分のおかれている環境でいうのもおかしな話ですが出来ることなら、休学なんてしなくていいものだと感じています。人によって自分のペースがあるから一概には言えないですが、大学生活に対して「なんなんだ、この毎日はー!!」みたいな一種の虚しさの感情も抱いてる人には休学を利用してもいいかもしれません。(ただの可能性の話ですが)その行動は考えるのか、留学なのか、インターンなのか、ボランティアなのか、旅なのか。

 僕には卒業まで1年半に絶対に実現したいことが一つだけあって、そのためにもこの場所を選びました。大学の交換留学にはロサンゼルスに行けるものがなかった。だから自分の力で探して行くしかなかったし、それが自分には最適だという決断も下しました。

 休学することは、自分と向き合う時間を与えてくれます。自分で決断したことだから、逃げられない。でもそういう経験をした人だけが得られるものもあるはず。人と同じペースで歩いていく必要は別にないので、自分がやってみようと思うことがあって、それをやる前に未来をイメージしたときに、心が常にワクワクしていたら、是非挑戦してみてください。

 僕の稚拙な文章が、何か少しでも参考になれば幸いです。

◇プロフィール◇
竪山裕一
神戸大学経営学部4年生=休学中

Facebook: https://www.facebook.com/yuichi.tateyama.1


 今の予定では、年末までロスにいます。
もしこれを見た現在ロスにおられる方はいろいろと情報交換もしたいので、もしよろしければ是非Facebookで連絡頂けると幸いです。

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