代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「 平凡な大学生の考えるギャップイヤー
〜ただ生きるのではなく、人生をデザインする〜」
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別府大河
一橋大学商学部2年生


「平凡」な大学生という視点から
 本記事は他の方々の記事とは少し異なるかもしれません。20歳の僕は、たとえば世界一周や留学など、これまでの人生で特に変わったことをしたことがないからです。その意味で、何の変哲もない一般的な大学2年生という視点からギャップイヤーを考えてみたいと思います。


魚に河は見えない
 上にも述べたように、僕はごく普通の大学生です。中学校、高校では部活に打ち込み、1年間浪人をし、大学では授業にはろくに出席せず、アルバイトやサークル活動などをしていました。しかし、大学2年生になるとその生き方に違和感や危機感を感じるようになりました。大学1年生の長期休暇を利用してインド、イギリスを旅し、日本で見ている世界が全てではないことを認識したからです。日本のアタリマエは世界のアタリマエではありませんでした。また、僕は、自分自身が敷いたレールではなく、日本社会が敷いたレールに乗って生きてきたことを自覚しました。まさに、日本から一度離れて海外から日本を相対視することで、日本の「ガラパゴス化」を肌感覚で認識したことに他なりません。


「和」の心を世界へ
 一方で、海外を旅して、世界における日本の可能性や役割を感じました。インドではもちろんのことイギリスでも、自分の予想をはるかに上回るほど日本のモノ・ヒトの評価が高かったのです。考えてみると、日本のモノは日本のヒトが生み出したものであり、日本のヒトの素晴らしさの根底には日本人の精神性があります。日本人の精神性の代表例として挙げられるのは、「和」の心です。これを英訳することは難しく、外国人に本当の意味を伝えるのは非常に難しいと思います。今後の世界において、日本の精神性は大きな役割を果たすと考えています。そして、高い精神性を基盤とした日本のモノ、ヒト、サービス、文化などは世界において貢献できる余地がかなりあると感じています。ゆえに、将来は、日本から海外へ、海外から日本への架け橋となり、「ガラパゴス化」を解消して日本にブレイクスルーをもたらし、日本の精神性を世界に伝えることで世界中に幸せを創出したい、と考えています。

 このように、ギャップイヤーを使わなくても自分のやりたかった海外を旅することはできました。しかし、逆説的に、やりたいことをやって将来像が見えてきたことがかえって、将来のビジョンを実現するために積極的な休学をして海外に長期的に日本を出る必要性に気づきました。2014年秋から2015年夏まで交換留学し、2015年秋には休学して世界中を巡る予定です。


人生をデザインする
 以上のような自分の経験から、僕には一つの考えがあります。
僕らは一人一人、自分の人生をデザインすることができる、ということです。
自分の思い描く未来に向かって、型にはまらず、自分を信じて今を生きればいいのだと思います。そのような日本人が増えれば、日本はさらに素晴らしい国になり、それによって世界は正しい方向へ進んでいくと感じています。

 生きることは、絵を描くことのメタファーです。人生とは、真っ白な紙の上に、自分の筆と絵具を用いて、自分の意思でその紙の上に描いていくプロセスのことだと思います。

 これまでの僕は、限られた筆と限られた絵具しか手元になく、周囲の日本人が描いている絵を見ながら、それらの絵に似るように漠然と淡い色を塗っていました。しかし、今後はギャップイヤーを利用して筆を一旦置き、留学と世界を巡る旅をして手元に筆と絵具の種類を増やし、同時に世界中の絵を見て回りながら自分が将来描くことのできる絵の選択肢を増やし、自分の最も描きたい絵を見つけ出してそれに向かって鮮やかな色を用いて描いていきたいと思っています。そして、いつしか振り返った時、長年かけてデザインしてきたその絵は自分の生きた証なのだと思います。

 21世紀の世界では、オルタナティブなライフスタイルをデザインできるはずです。
なんとなく隣人と同じ絵を描くことに価値はあるのでしょうか?


プロフィール
別府大河
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E-mail:beeeppps@gmail.com

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