代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

【JGAP寄稿者短信"拡大版"】「日本縦断・世界一周の決算報告~ギャップイヤー総括 」0プロフィール堀米.jpg


堀米 顕久
(大分大学医学部医学科・2012年度 BADO! 世界を旅するチェンジメーカー奨学生)

 JGAPをご覧の皆さま、こんにちは。

 昨年8月に「フロンティア・フォーラム」欄にエッセイを寄稿させていただきました、世界を旅するチェンジメーカー奨学生の堀米顕久と申します。

 病気や障がいを抱える子どもたちの居場所づくりを模索して、国内・国外の医療施設・福祉施設・野外体験施設等への視察・ボランティアの旅をしながら情報発信を続けてきましたが、このたび1年間の旅を終えて帰国し、旅の総決算をまとめましたので、ご報告させていただきます。
 なお、旅の日程としては、2012年4月~7月が国内、2012年8月~2013年1月が世界一周、帰国後の2013年2月~3月が再び国内でした。


日本縦断・世界一周の総収支について
1写真堀米さん.GIFのサムネール画像


■収入
 たくさんの方々から応援をいただいたおかげで、BADO株式会社さまから「世界を旅するチェンジメーカー奨学生」として支援をいただくことができました(http://www.bado.tv/)。
 また、個別の企業・個人の方々からも、多大なるご支援を承りました。
不足分については、社会人時代に貯めた貯蓄を使い切る勢いで旅して参りました。

改めまして、ご支援を賜りました皆さまに厚く御礼申し上げます。

■固定費
 家賃や水道光熱費等の勘定でしたが、旅の間は家を引き払って貸し倉庫に荷物を入れていたのでその倉庫代と(月8,400円×12ヵ月)、日本にいる間の携帯代、また世界一周に出る前は国内でEMOBILEのポケットWiFiを使っていたのでその分を計上しています。
(ただし帰国後はiPhone5にしてテザリング機能を得たのでWiFi代はゼロになりました)

■旅支出
 細かくは後半に別表を用いて説明していきますので、ここでは合計数値を概観します。
 一番大きかったのは、やはり「交通費」でした。これが支出全体の約半分を占めます。世界一周航空券が約50万円、ユーレイルパス(ヨーロッパの鉄道乗り放題パス)が約9万円、その他に個別のフライト・バス移動等が重なり、合計で約150万円となりました。なお、皆さまにご支援いただいた旅資金は、すべてこの「交通費」を賄うために活用させていただきました。ありがとうございました。
 「活動」で大きいのは、8月のアメリカiLEAPでのソーシャルイノベーションプログラム参加費(30万円弱)と、NICEの国際ワークキャンプ参加費(2万円~ ×数回)でした。
(シアトルiLEAP:http://japangap.jp/essay/2013/01/-npo.html)
(NICE国際ワークキャンプ:http://ameblo.jp/mylifeasapig/entry-11317404946.html)
 「その他」で大きいのは、海外旅行保険(約9万円)や予防接種(約8万円)、それに必要資材の購入(ウェブカメラ、デジカメ...)等でした。


日本縦断の旅支出について(2012年4月~7月、2013年2月~3月)
2堀米さん日本地図.jpg

3国内.GIF


 続いて半年間の日本縦断の旅支出について、詳しく見ていきたいと思います。上表の左列に半年間の合計(185日間)、中央列に1ヵ月あたりの平均、右列に1日あたりの平均を出しています。

■食費・カフェ
 あまり贅沢をしてはいないはずなのですが、自炊ができないとこの程度はかかってしまいますね...。カフェは集中して資料作成をしたりするときに籠っていました。

■交通費
 国内移動のメインはマイカーだったので、ガソリン代が一番大きいです(約10万円)。その他、高速道路代と、北海道と沖縄と大分にフライトをした費用等々を合計してこの金額になっています。

■宿泊費
 国内で宿に泊まったのは一度だけで(広島でユースホステル;3,000円程度)、あとは友人宅を泊まり歩いていたのですが、その時の夜間のコインパーキング代をこちらに計上しているので、この程度の金額になっています。

■本
 旅の合間に、旅本と、教養的な本を買っていました。が、その場で読むというよりも、どちらかというと世界一周に持って行く用の本が多かったです。

■活動
 NICEの国際ワークキャンプ参加費などです。

■その他
 その他勘定には、上記に入らないすべての勘定を入れているのでどうしても金額が大きくなってしまうのですが...。金額の大きいところでは、旅の装備を買っていたり(デジカメや防寒着など)、車検があったりします。


以上から、半年間の日本縦断でかかった旅支出は、1,023,500円となりました。


世界一周の旅支出について(2012年8月~2013年1月)
4世界地図堀米さん.jpg
5海外.GIF



 続いて、世界一周の旅支出の詳細です。日本縦断と同様に、左列に半年間の合計(180日間)、中央列に1ヵ月あたりの平均、右列に1日あたりの平均を出しています。
 国内と明らかに違うのは、「交通費」が跳ね上がっていることと、「宿泊費」や「活動費」も高くなっていることでしょうか。
 ただ、世界一周中は地域毎の物価水準や、その国での活動内容に大きく左右されてしまうので、地域別にまとめ直した下表をベースに説明させていただきます。
6海外(地域別).GIF


■共通
 世界一周の共通費用を抽出しています。
・「交通費」に世界一周航空券(スターアライアンスの34,000マイルを購入)
・「その他」に予防接種(約8万円)と海外旅行保険(約9万円)
のみです。

■北米
 北米には、68日間(2ヵ月強)滞在していました。
「食費」は、ほぼ日本と同様の物価水準と思えばこの程度でしょう。
「カフェ」利用は多かったです。よくスタバでWiFiと電源を拾って、調べ物とブログ書きをしていたので。
「交通費」は、カナダへのフライトと、シアトル-ニューヨークのフライト、それに各都市にバス移動していたので相応にかかりました。
「宿泊」は、一部は友人宅に泊まっていましたが、宿を取らなければならないとき、宿代が圧倒的に高くて...(一泊4,000円クラスが最安でした)。けっこう嵩んでしまいました。
「活動」はほぼシアトルiLEAPのソーシャルイノベーションプログラム参加費です。
「その他」は、主にデジカメが壊れて買い替えたのと、バッグや靴を買い替えた費用です。

■中南米
 中南米(メキシコ・ペルー・ボリビア)には、28日間(約1ヵ月)滞在していました。
北米と比べて物価が一気に安くなったので、「食費」「宿泊費」ともに抑えられています。また、ネット環境は基本的に宿のWiFiで済ませていたので、「カフェ」利用はほぼなしでした。(治安の問題から「夜にちょっとスタバに行って集中する」ができないという理由もありましたが...)
「交通費」は、メキシコ国内のバス移動と、ペルー・ボリビアの都市間・国間バスです。
...こうして振り返ると、中南米は最低限の生活費と移動費だけでしたね。

■アフリカ
 アフリカ(南アフリカ・ザンビア・マダガスカル)には、17日間(約半月)滞在していました。
「交通費」は、短期間に3ヵ国を詰め込んだので飛行機移動が重なり高くなってます(アフリカはLCCがなく、隣国に飛ぶだけでもフライトが非常に高いです...)。
「宿泊費」もやや高くなっていますが、南部アフリカ諸国は物価水準に比べて宿代が高い国々でした。
「本」はスペイン語とフランス語のテキスト・ポケット辞書です。
「活動」と「その他」は、南アフリカでアパルトヘイト時代の黒人隔離居住区を訪れたり、マダガスカルでガイドを雇ったりした分が発生しています。

■ヨーロッパ
 ヨーロッパには、24日間滞在していました。
「食費」は、物価水準から相応にかかっています。
「交通費」は、フライトでドイツに入ってからユーレイルパス(約9万円)で縦横無尽に鉄道移動していましたが、イギリスへのユーロスターが別料金なのと、オーストリアからトルコにフライトしたのとでけっこうかかっています。
「宿泊費」は、ヨーロッパは基本的に各国に友人がいるので、宿代はフランスとオーストリアくらいで安く済みました。
「その他」は、アフリカのフライトで旅装備を一部盗まれたので(預入れてた荷物が空港係員に漁られてたのはもう諦めるしかない...)、その補充でちょこちょこ買い足した費用です。

■中東
 中東(イスラエル・パレスチナ・ヨルダン)には、18日間滞在していました。
主にパレスチナのNGOの活動に参加していたので、掛かった費用としては「交通費」(トルコ-イスラエル-ヨルダンのフライト代)と、最低限の生活費のみでした。

■インド・東南アジア
 インド・東南アジア(インド・タイ・マレーシア・ベトナム)には、25日間滞在していました。
物価水準が圧倒的に低く、また滞在中の半分以上は現地の友人宅にお世話になっていたので、「食費」「宿泊費」ともに抑えられています。
「交通費」は、残り少ない日数で可能な限り行きたいところは全部行こうと、インドの国内フライトと、東南アジアをLCCで飛び回ったため相応にかかりました(約1万円×6回)。


 以上、生活費は最低限に抑えつつも、短期間に効率的な(無茶な)移動をしていたので「交通費」がかなりかかりました。また、iLEAPやNICE等の「活動費」に加えて、「その他」で海外旅行保険や予防接種、必要資材を購入したことなどから、世界一周の旅支出は計2,170,500円となりました。

-----

以上、簡単ではありますが、旅の決算報告とさせていただきます。

 旅の途中、ちょっとでも会ってみたい人や訪れてみたい施設の情報を得れば、そのためだけに即追加で航空券を買って弾丸フライトをするような旅だったので、通常の旅よりはかなりコストがかかっていますが(旅人仲間たちは皆100万円~150万円程度で1年間~の世界一周を済ませていました)、限られた期間内で、見聞きしたかったこと、経験したかったことを最大限詰め込んだ結果と捉えていただければ幸いです。

 なお、旅の間、資金面はもちろんのこと、旅のアドバイスや人・施設の紹介、体調を崩したときの助言など、たくさんの方々にお世話になりました。
 改めまして、お世話になった皆さまに厚く御礼申し上げます。

 私の日本縦断・世界一周の旅はひとまずこれで終わりますが、今後も機を見つけては日本の、世界の現場を訪れて、自分の中に吸収するとともに、引続き情報発信をさせていただければと思っています。

 どうか今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。


プロフィール
2007年北海道大学農学部卒。有機農業2年・大手銀行勤務5年(札幌・鹿児島・福岡)を経て、現在は大分大学医学部医学科に在籍。銀行員時代の2008年、難病の子どもを対象とした子ども野外キャンプ(そらぷちキッズキャンプ)に参加しキャンプリーダーを務める。以降、同キャンプの参加を続ける中で医学の道を志し、2011年10月に銀行を退職し大分大学医学部に編入学。2012年4月から1年間休学し、日本中・世界中にある病気の子ども向け野外体験施設・医療施設・福祉施設等の視察・ボランティアの旅に出る。また旅に際して、BADO株式会社から「世界を旅するチェンジメーカー奨学生」として支援を受ける。将来は小児科医として働くとともに、病気の子どもを対象とした野外キャンプの実施や、子どもたちの居場所づくりについて模索中。

■「フロンティア・フォーラム」欄No.80:「子ども×自然×医療:銀行員は医師を目指して"旅人"になる」寄稿
http://japangap.jp/essay/2012/08/-2012-bado.html

■JGAP寄稿者短信:「病気の子どもと家族のための"滞在型アミューズメント施設"Give・Kids・The・World・Villageでの活動報告」
http://japangap.jp/info/2012/10/jgapgive-kids-the-world-village-where-happiness-inspires-hope-2012.html

■JGAP寄稿者短信:「世界で最初の小児ホスピス -英国ヘレン・ダグラス・ハウス- の視察報告」
http://japangap.jp/essay/2012/12/post-37.html

■JGAP寄稿者短信:「子どもたちのもうひとつの居場所 ~NPO法人フリーキッズ・ヴィレッジのこと~」
http://japangap.jp/essay/2012/12/post-38.html

■JGAP寄稿者短信:「ソーシャル・イノベーションの街で社会起業を学んだ1ヵ月 ~米国シアトルのNPO法人iLEAPによるSIISプログラム~」
http://japangap.jp/essay/2013/01/-npo.html

■JGAP寄稿者短信:「あのとき、いま、これから ~東北被災地での活動報告~」
http://japangap.jp/essay/2013/04/-1npoileapsiis-1.html

Blog:http://ameblo.jp/mylifeasapig/
Facebook:http://www.facebook.com/akihisa.horigome
Twitter:https://twitter.com/akihisa_h
BADO!旅の企画書:http://www.bado.tv/cp2012s/view/49

記事一覧

フロンティア・フォーラムトップページへ戻る

アーカイブ