代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「なぜ私は"ジブリ"まみれなのか」中郷さん.JPG


中郷 智@ジブリまみれ

 私は大学生でもなく社会人でもなく、「ふらふら2年生」です。

ふらふら何をしているかというと、自分が好きなスタジオジブリを勝手に応援するサイト「ジブリまみれ」を運営しています。特にこのサイトがお金を生み出すわけでもなく、純粋に応援したいという思いしかありません。

7月にこの活動を始めて1年経ち、Facebookページでは14,000いいね!を超えるほどに成長しました。この影響力を社会的意義があることに使おうと思い、change.orgというネット署名サイトで「ファンの力で国民栄誉賞を!」というキャンペーンを始めました。宮崎監督の引退もあり、現在2,700人を超える署名が集まっています。


 そもそも、なぜふらふらしているのか。

 私は大学では物理を学んでいました。もともと宇宙がなぜできたのかということに興味があり、そのためには物理が必要だったのです。しかし、学生時代は毎日「なんで勉強してるんだろう」と考えながら過ごしていました。進路を決めないといけないとき、まわりのほとんどが大学院に進学するので、その流れに乗って進学するつもりでした。


 ところが、大学のOBの方と話しているうちに、大学院に行っても自分はまた流されながら生きてしまうんではないかという気持ちが大きくなっていきました。そのため大学院の試験の直前に受験を辞めてしまいました。さて、ここからが大変です。他に道は就職しかないかなと思い、就職活動を始めました。大学4年の10月・・・もう就活は終わりと言ってもいい時期で、募集は少なく、そもそも行きたいと思う会社が見当たりません。そうこうするうちに、卒業論文の準備をしなくてはいけなくなり、就活は辞めてしまいました。とにかく卒業だけはしようと思い、実験をこなし2012年に無事卒業をしました。


 ここで進路もなく急に社会に放り出されるわけです。本当に"どん底"でした。自分は社会に必要とされていないんだと思いました。「死」というものを少し意識しました。しかし、私はそこからいままでしなかったことをやりはじめるのです。学生の内に行けなかった東北ボランティア、そして旅。スカイダイビングもしましたね。これはいままでだとあり得ない挑戦でした(笑)人生は開き直りが肝心です。


 いわゆる"自分探し"だったのかもしれません。東北に行った時に年下の女の子に言われた言葉が忘れられません。「何かを始めることに早い遅いはない。」自分は結局何がしたいんだろう、そう考えている時に、ふとテレビの金曜ロードSHOW!で「となりのトトロ」が放送されていました。そのとき衝動的にFacebookページ「ジブリまみれ」を作ってしまいました。これが始まりです。


 やっぱり自分がやりたいことは自然とやってしまうようです。そしてお金も必要ありません。ジブリまみれの活動では特にお金が発生するわけではありません。親から認められてるわけでもありません。けど、続けられるんです。1年間更新を続けました。今までしようしようと思ってやっていなかったプログラミングの勉強もして1ヶ月でホームページも作りました。


 本当にやりたいことは、親にもお金にも依らない。何も考えずにやってしまうことなんです。そして、世の中やってはいけないことはほとんどないんだと思います。大学に行かなくても、会社で働かなくても。今の日本では飢えで死ぬなんてことはめったにないでしょうし。人生は一度きり。どうせなら、楽しく生きてみましょう。


プロフィール:
中郷 智 https://www.facebook.com/satoshi.nakago
ジブリまみれ http://ghibli.me/
change.org署名キャンペーンページ https://www.change.org/weloveghibli

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