代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「"自分のため"のギャップイヤー」
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竜口瑞樹
明治大学商学部3年生 休学中@シアトル


 

 こんにちは。今日は9月18日。ただいま、シアトルのブロードウェイのスターバックスコーヒーにいます。シアトルはスターバックス発祥の地として知られており、街の中にはいたるところにスターバックスが点在しています。9月23日にコミュニティーカレッジの授業が始まるためその準備に追われていまして、今はその休憩中。大学の授業って一体どんなものなのだろう、ネイティブの同年代とちゃんと会話できるだろうか...苦いブラックコーヒーをすすって物思いに耽っています。


 僕は休学をする前までは普通に大学で授業を受け、『単位のための』定期試験を受け、サークル、バイト、ゼミと何の変哲もない生活を送っていた大学生でした。そして2年生で焦燥感に駆られ、海外での生活を決心し、4月からアメリカに私費留学しています。中西部インディアナ州インディアナポリスで語学学校に通い、そして上記の通り、この9月下旬からシアトルのコミュニティ・ーカレッジに通う、ギリギリの日々を送っています。どこにでもいるような普通の大学生だったからこそ、今ギャップイヤー取得について迷っている人に伝えられることがあるのではないかと思い、ここに書かせていただくことを決心しました。僕から皆さんにお伝えしたいことは2つです。


"自分のため"に
 アメリカに来た当初、通っていた語学学校において、様々な国からの学生に出会いました。全体で150人ほど在籍していた学校においてサウジアラビア、中国、韓国、南米諸国が主要出身国で日本人は自分を含め1人から多くて3人いるかというくらいでした。生徒の渡米理由はさまざまで、中には残念ながら遊びにだけ来ているという生徒もいました。

しかし、自分のクラスメイトのほとんどがアメリカでの大学・大学院進学を目指し勉学に励んでいました。既に自国で大学院を卒業し、さらにアメリカで研究するために来た韓国人、自国では宗教上の理由で大学進学できないためアメリカにやってきたサウジアラビア人、自国に希望の専攻がなくアメリカの大学に入学志望のあるコロンビア人...理由は様々ですが、彼らの勉学にかける思いや向上心は"ド肝"を抜かれました。加えて授業形式も日本のそれとは違い、生徒が遠慮することも英語の失敗を恐れることもなく、自分の見解や質問を(時には先生の意見を遮ってまで)発言して、クラス中が議論に発展していきます。

彼らは『就活のため』でも『単位のため』でもなく、ただ愚直に『自分のため』の勉強をし、自分自身を向上させる努力をしていたのです。この勉学にかける想いを知ることが自分の生活を見直すきっかけとなりました。いかに僕が大学で『自分のため』ではなく『単位のため』だけの勉強をしていたのかということを痛感させられたのです。英語の上達は基本ですが日本での僕の専攻は交通と観光。せっかく海外で生活しているのに、ただ漫然と生活しているだけではもったいない。日々の生活が大きな発見のもとになる可能性があることを恥ずかしながら他の留学生からの刺激を受け、初めて認識しました。

交通機関の日本との比較や観光面での日本の魅力を理解してもらえるようにはどのような説明がよいのかなど、英語以外でも研究や考察をこれからも続けていくつもりです。これから大学生活が始まるため、さらに少しでも多くの経験や能力を身につけられるように努力していきたいという思いに駆られています。このように海外に飛び出すことは他の留学生の気合いや思い入れを肌で感じ、自分を見直すきっかけになると僕は考えています。


日本を振り返り、情報を発信する
「海外に出れば、日本を知ることができる」というこの言葉はありきたりで使い古された言葉かもしれません。しかし、様々な国出身の学生やアメリカ人と生活を共にすることにより、実は日本はとても素晴らしい国なのではないかと再認識しました。今流行りの"おもてなしの心"と安全面で、日本は他国よりたけていると心から感じています。世界中から多くの観光客を受け入れるために、日本がこれからよりおもてなしの心を世界へと発信することが重要です。そして日本出身の留学生もその情報の発信源の一つとして一役買うことが必要だと僕は考えます。

海外の生活において日本との違いに僕が驚くこともありますし、他の国の出身の人にとって「日本の当たり前」は驚きである可能性もあるのです。日本の魅力や他国との違いをより知ってもらうために、僕にとっての当たり前をしっかり相手に伝え、理解してもらうことがこれからの日本のイメージ、立場をより良いものにできると信じています。


最後に
このサイトを閲覧している人の中には休学の取得に悩んでいる方がいるかと思われます。何の変哲もない僕でも海外でなんとか生活できています。悩んでいるくらいならば、自分のしたいことしてみたらどうですか?日本での活動も海外での活動も、そのすべてを単位のためや就職のためではなく『自分のため』にやるのです。自分もまだまだ発展途上、常に刺激と発見のある1年に一緒に挑戦してみませんか?


プロフィール
竜口瑞樹
明治大学商学部3年休学中
メール mizukitatsu421@gmail.com

僕は12月中旬までシアトルに、それから2月までインディアナポリスに滞在する予定です。質問や意見交換のしたい方は気軽にメールを送信ください。

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