代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「米国のリベラルアーツ・カレッジを目指してみませんか?」松浦隆之介さん写真2013-09-05 20.31.jpg

松浦隆之介(まつうらりゅうのすけ)
Colby College 1年生

 
  僕は今、アメリカのメイン州にあるColby Collegeに在籍しています。人生の9割以上を日本で過ごしてきた僕は、数年前まで、自分がアメリカで大学生活を送るとは夢にも思っていませんでした。そんな僕が、なぜ日本の大学ではなくアメリカの大学に進学したのか、簡単に綴りたいと思います。

生い立ち
 僕は静岡県の藤枝市に生まれ、地元の小学校、県内の国立大学の附属中学校、県立高校に通っていました。高校3年生になるまで海外在住経験は全くなく、高校2年次までは、当たり前のように大学受験をし、日本の大学に進学するつもりでした。


高校を休学してアメリカへ
 そんな僕がアメリカの大学に興味を抱くようになったきっかけは、一年間の交換留学生活でした。高校2年次にAFSの試験に合格し、高校3年生の夏から高校を一年間休学してアメリカの高校に交換留学をしました。交換留学中は、自分の英語力のなさを痛感するとともに、世界各国からアメリカに来ていた留学生の優秀さに驚き、彼ら・彼女らの意識の高さに刺激を受けました。この経験から、日本の大学に進学することは自分にとって正しい選択なのだろうかという疑問を抱き始め、世界中から優秀な人材が集まる、アメリカの大学への進学について考え始めました。


アメリカから帰国
そのような疑問を抱いている僕に決定的な影響を与えたのは、高校時代の同級生の大学進学でした。自分が1年間休学している間に、仲の良かった友人たちは、東大をはじめとする旧帝大や早慶などの私立大学へと進学しましたが、概して日本の大学生は勉強をしないと言っていたため、自分の求める環境は日本にはないと感じ、アメリカの大学への進学を決意しました。両親も、若いうちにしっかりと勉強しておいた方がいいと常々言っていたため、僕の決断を全面的に尊重してくれました。

情報が圧倒的に少ないアメリカの大学受験において、僕は二つの機関にお世話になりました。一つは、グルーバンクロフト基金という財団法人です。基金から直接奨学金を頂いているわけではありませんが、奨学生としてエッセイや書類の準備などあらゆる面で支援をしていただきました。もう一つは、アゴスという留学専門塾です。TOEFLやSATなどといった試験のノウハウや、エッセイの書き方を教えていただきました。僕は出願までの準備期間がかなり短かったのですが、アゴスの先生方のおかげで、なんとか短期間で合格最低ライン程度の点数を取ることができたと思っています。


Colby Collegeとは
 恐らくこの記事を読んでいる方の殆どが、僕の在籍しているColby Collegeについてご存じないと思うので、最後にColby Collegeについて説明します。Colby Collegeなんて世界大学ランキングで見たことないし、わざわざ日本を飛び出していく必要があるのか、と思った方もいらっしゃるかもしれません。そのような方に、Colby Collegeの良さ、ひいては、リベラルアーツ・カレッジの良さを知っていただけたら幸いです。

 Colby Collegeは1813年にアメリカの東海岸、メイン州のウォータービル市に設立されました。現在は、約1800人の学生が在籍しており、そのうちの1割程度が留学生です。Colby Collegeは大学院を持たず、教授が学部教育に専念するリベラルアーツ・カレッジです。そのため、大学院の研究活動などが評価対象になっている世界大学ランキングの対象にはなりません。日本では無名ですが、アメリカ国内では教育の質の高さで知られ、東海岸の小規模な私立大学の集まりであるリトル・アイビーの中心的な存在です。2012年度は、Forbes誌のBest Liberal Arts Collegesで12位にランクされています。

 Colby Collegeの良さは、その規模の小ささと、教授との距離感だと思います。生徒と教授の比率は10:1であり、Colbyで行われている授業の7割弱が20人以下のクラスです。僕はまだ1年生ですので、比較的人数が多いイントロダクションの授業を取っていますが、それでも教授は生徒一人一人の名前を覚えてくれていますし、オフィスアワーの間には教授と1対1で話すことができます。まだ在籍して1ヶ月ですが、教授が学部教育に専念していることを常々感じる日々です。また、政治学を教えている教授の下でリサーチアシスタントとして働いていますが、1年生ながらこのような機会が与えられるのも、小規模なリベラルアーツ・カレッジならではだと思います。学年が上がり、自分の専攻が決まっていくにつれて、教授とより親密な関係を築くことができると思うと非常に楽しみです。

最後に
 今はインターネットのおかげで、アメリカの大学に進学する方法などが簡単に手に入る時代になりました。最早、日本の高校生がアメリカの大学に進学するのは夢物語ではありません。アメリカの大学に興味を抱いた人は、自分の進路の選択肢の一つとして、アメリカの大学進学を考えてみてはいかがでしょう。


プロフィール:
松浦隆之介
静岡県立静岡高校3年次に休学して、AFS派遣生としてアメリカのメリーランド州に交換留学。帰国後、約半年間の準備期間を経て、2013年9月にColby Collegeに入学。専攻は環境政策と経済の予定。
Facebook: https://www.facebook.com/ryurugby
Twitter: @ryurruuggbbyy (https://twitter.com/ryurruuggbbyy)
Blog: http://shizukoliberalartscollege.wordpress.com


記事一覧

フロンティア・フォーラムトップページへ戻る

アーカイブ