代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「ギャップイヤーにカンボジアでカレー屋をやってます!サムライカレープロジェクト!」もりぞうさん.jpg

 こんにちは。2度目の寄稿となる森山たつをです。

 1度目の投稿は、私自身が20代の頃のギャップイヤーで体験した「ビジネスクラスで世界一周」についてお伝えしましたが(注1)、今回は、若者のギャップイヤーに起業体験をしてもらおう!というプログラムについてお伝えします。

 2014年1月より開始した、サムライカレープロジェクトという研修プログラムでは、主催者である我々と、ギャップイヤー中の20代の若者3人で、カンボジアの首都プノンペンでカレー屋を作っています。

 主催者が用意するのは、店舗と泊まるところと資金。そして、料理研究家が作ったオリジナルのレシピだけ。参加メンバーは、これらを元に、自分たちで考えて、カレー屋を作っていきます。

 やることは山積です。


 そもそも、部屋にベッドがないところからスタートで、家具屋にベッドを買いに行くことがファーストミッションです。プノンペンでも観光地ではそれなりに英語が通じるのですが、地元の家具屋ではそうもいきません。英語も、日本語も通じない中で、どうやってベッドを買うか。そして、部屋まで持ち帰るか。日本ではWebサイトで発注すれば一発のことでも、途上国ではいちいち頭を悩ませて、泥臭く行動しなくては達成できません。

 その後も、看板の作成、カンボジア人バイトの面接、宣伝方法の考案、カンボジア人好みの味の調整、カレーの価格設定などなど、やらなくてはならないことは山積みです。
完全アウェーの地で、どうにかして仕事を進めていかなくてはならない状況で、参加メンバーは楽しそうに、課題をこなしています。

 プロジェクトの前半戦最大のミッションは「開始6日目の土曜日に、100人のお客さんを呼んで、大試食会を開催せよ」です。
 1月11日。何とか100人分のカレーを作り、近くにある大学でビラを配り、近所のカンボジア人を連れてきて、Facebookで大騒ぎし、トラブル混じりながらも、見事ミッションを成し遂げました。

 彼らの次の大きなミッションは、開始3週間目での開店です!
今も、バイトスタッフの就業ルールを作ったり、看板のデザインをしながら、ドタバタと突き進んでいます。

 私が、このサムライカレーの中でやって欲しいことは、「失敗」「提案」「挑戦」の3つです。 

 バイトや仕事で指示されたことを失敗したら怒られます。減点法の日本の会社では、将来の出世にまで響くかもしれません。しかし、素人だけで、新興国でカレー屋を開店するという無茶なプロジェクトでは、失敗するのが当たり前であり、いちいちそれを責めたりはしません。ダメ元で思い切って行動してください。

 よりよいカレー屋にするために、正解はありません。だから、自分が思ったことはドンドン提案してください。我々主催者は、よっぽどのことがない限り却下しません。自分で提案して、自分で実行してください。

 失敗することを恐れず、やりたいことができる場は、社会にでると思ったよりも少ない者です。そこで、このチャンスにはじゃんじゃん挑戦してください。ちょっと無理かな?って思う事もとりあえず、やってみる。駄目ならまた考えればOKです。

 こんな事をしてもらうために、サムライカレープロジェクト参加者には、日々ミッションが与えられます。「爆速」をテーマに「明日までに看板を作れ」とか「来週までに新メニューを開発せよ」とか、無茶振りが行われます。でも、このスピード感がアジアの途上国のスピード感。まだプロジェクト開始2週間ですが、参加者はすっかりこのスピードに慣れています。

 そして、もはやこのミッションすらも必要ない状況が始まっています。既にメンバー同士で情報を共有し、課題を発見し、自分たちでやることを見つけて、実行する。30代の会社員でも全然できてない「自分で仕事を見つけて実行すること」を、ギャップイヤー中の若者が達成しているのです。

 「金庫ってどこに売ってるんだよ!」とか「オリジナルのポロシャツ作れる所なんてあるのか!?」などと、プノンペンの街で右往左往しながら、ちょっとずつ、自分たちの作った目標に近づいていくことは本当に楽しいです。

 このプログラムは、「4週間=1期」として、次々とメンバーが替わっていきます。ギャップイヤー中の人、単なる長期休暇の人、20代の若者、それより上のおっさん、おばさん、誰でも参加できます。
ご興味をお持ちの方は、是非このページの詳細説明をご覧頂けたらと思います。

サムライカレープロジェクトって何をするの?具体的に解説します
http://morizo.asia/?p=3829

みんな、カレー屋、やろうぜ!

(注1)
2011年11月15日エッセイ集 フロンティア・フォーラム No9:「なぜ、私は大企業を辞めて、世界一周旅行なのか?!」もりぞお-
http://japangap.jp/essay/2011/11/post.html

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