狭間純平
一橋大学法学部2年
‐僕は一人、異国のこの地、東南アジアで大草原の中をひたすら滑走している。目の前に広がる大きな道。その道の脇には今まで見たこともないような大自然と青い空が広がっている。風を切ってまっすぐ進むと、雲一つない青空に溶け込むような気持ちになる。しばらくすると、遠くに小さな街が見えてきた。どんな人がいるのか?ワクワクしながら進むと、ポツリポツリと街の住民たちにすれ違う。スケボーに乗った僕は珍しいのか、みんな笑いながら大きく手を振ってくる。子供たちも笑顔で走って追いかけてくる。思わず僕も、ふっと笑みがこぼれた。そして再び、前を向いて進む。風を切って進む!そうだ、この感じだ!胸がドキドキする!!! ‐
「なぜ、スケボーなのか?」
旅前も、旅中も、旅後も何百回もされたこの質問。
僕は、観光地を巡るだけでその国を知った気にはなりたくなかった。
スケボーで旅をしようと思ったのは、普通は通り過ごしてしまうような町を、景色を、人を、スケボーならゆっくりじっくり堪能できると思ったから。
未知の世界を自分の足で、そして全身全霊で感じたかったから。
スケボーは持ち運びに困らないし、スピードも出る。
旅の移動手段には、もってこいだった。
可能とか不可能とか、そんなことはどうでもいい。
ただ僕は、
感動を求めて、旅をした。
タイのバンコクをスタートとして、カンボジアのシェムリアップ、プノンペンを中継地点、そしてゴールであるベトナムのホーチミンまで計928km
ヒッチハイク台数車3台、逆ヒッチハイク台数バイク2台、残りスケートボード
2013年12月17日から2014年1月9日まで24日間の旅。
1ヶ月にも満たない短い旅だったけど、そこには感動が溢れていた。
出発の日、バックパックを背負い、スケボーに左足を乗せたあのゾクゾク感は想像以上だった。
途中、疲れているだろうからと言ってバイクの後ろに乗せてくれたタイの大学生。
サケーオの運動会に乱入した時に、一緒に歌って踊った子供達の笑顔。
屋台がなくてお腹を空かせていた時に、寺院で食べさせてもらった温かいご飯。
同じく東南アジアを横断しているという韓国人チャリダーのおじさんとの感動の出逢い。
ヒッチハイクで荷台に乗せてくれて、帰国した後も連絡を取っているシャイさん。
プノンペンのbarで居候させてくれたオーナー貴也さん。
そしてなにより、最終目的地ホーチミンの街に到着した時の、あのぶわっと溢れた達成感。
ああ、旅に出てよかった。素直にそう思った。
旅を終えたその時、僕は、人生において1番重要な"一歩踏み出す大切さ"を肌で感じた。
旅に出なければ出逢えなかった景色や、人や、感動がある。
踏み出さなければ知ることのなかった世界がある。
一歩踏み出せば世界は変わる。
自分の可能性がぐっと広がる。
最初にどれだけ不安を抱えていても、強盗に会わないか、事故に会わないか、無事辿り着けるだろうか、英語が通じるか、そんなことを思っていても、
一度走り出してしまえばもうこっちのもんだ。
怖気づいていた自分がバカバカしい。
「できるかできないか」なんて関係ないんだ。
大事なのは、「やるかやらないか」なんだ!
お金も、時間も、親も、勉強も、バイトも、
環境はすべて自分の気持ち次第でどうにでもなる。
自分の人生だ。やりたいことを思いっきりやれ。
理由なんて後からでいい。
周りの目なんて気にするな。
とりあえず、やってみろ!
もし今、これを読んでいるあなたにも何かやりたいことがあるなら、
全力で、その第一歩を踏み出してほしい。
いや、一歩どころか、
全身で思いっきり飛び込んでみてほしい!
その飛び出しは、必ず最高の未来に繋がっている。
最後に、この場を借りて
いつも心配しながらも遠くから見守ってくれている両親へ、なんだかんだ応援してくれる兄弟へ、困ったときにはいつも支えて助けてくれる友達へ、
やりたいこと、やらせてくれて、ありがとう。
もっともっと、僕はやります。
そして今度は僕があの時感じた、あの感動をみんなに届けよう。
プロフィール
狭間 純平(はざま じゅんぺい)
1994年生まれ。宮城県仙台市出身。一橋大学法学部在学。
現在は自身が設立した旅人団体、「東京旅人会」で様々な旅企画を通して旅の魅力を伝える活動を行っている。
(Twitter)@junpei_hazama
(Facebook) https://m.facebook.com/junpei.hazama
(Blog) http://blog.livedoor.jp/junpei_hazama/
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