稲村 航平
法政大学文学部地理学科3年
◎はじめに
2013年4月7日。21歳になった僕は、全てを日本に残して、世界へと旅立った。
今回は質問形式にして、自分で答えていこうと思う。
Q:世界一周をした目的は?
A.:ただ単に「行きたかった」から。
前々からの目標ではあったから「いつ行くか?」と考えた時に、「今しかない」と思った。社会人になったら、仕事を続けていくし、リタイアするつもりはないので、大学生という時間を許された時に出たかった。
Q:世界一周に不安や恐怖を感じたか?
A.:今までも1ヵ月~2ヵ月間のバックパッカー旅をしていた。それが1回ではないので、海外に対する抵抗は全く感じず、出発直前も「楽しみ」という思いが強かった。
アフリカは未知な場所だったので、頭の片隅によぎるものはあったけど、恐怖や不安はない。
電車が来なかったり、バス停に人がいなくて「これ大丈夫かな・・・」という不安はあったけど。
Q:価値観は変わったか?
A.:どこまでが「価値観」と言えるかは分からないけど、価値観が変わった覚えはない。
"考え"や"思い"が変わることはしばしばあるけど、今まで築きあげた価値観は、海外に一年出たぐらいで変わるはずはないし、変わるなら以前の旅の時にとっくに変化している。
一つだけ変化があったと言うならば、日本をもっと好きになった。日本をより良くしていきたい思いは強い。
Q:楽しかった場所は?
A:「どこも訪れて良かった」と思えるほど、行った場所に悔いはなし。
どの場所も思い入れがあるので、1つに絞ることは難しいが、各エリアごとに一言コメントしていく。
中東:人の優しさに触れたエリア。アザーンをまた聞きに行きたい。
アフリカ:「思いこみ」が180度変わったエリア。「思いこみ」ほど無知なモノはない、というぐらい発見があった。今度は西を攻めたい。
東欧:旧ソ連の雰囲気を味わえたエリア。バルカン半島の部分は、「ここが欧州か?」と思いたくなるような、場所。アフリカ同様「思いこみ」の恥ずかしさを知る。
中欧:快適だったエリア。街並みも美しい。しかし、その裏には暗い過去があるので、勉強していなかったことを後悔している。
西欧:二度目なのは特になし。今度は誰かと行きたい。
アメリカ:何も考えずにいれたエリア。何もかも大きい。アメリカはアメリカ、だと思える場所。今度は球場巡りしたい。
中米:「未知な場所」なだけに衝撃が大きかった。日本と関わることがない所だけに、色々なことに興味を持った。
南米:自然の大きさ、大陸の広さを感じたエリア。「地球」というワードが詰まっているほど、魅力的な場所。旅人が推薦する理由も分かる。
Q:旅のスタイルは?
A.:僕は365日で53ヶ国の国に訪れた。人からはよく「駆け足な旅だね」と言われる。
確かに駆け足だ、僕は一つの場所にゆっくりすることは出来ないので、自然と前へ前へ進んでいくことになってしまう。
「駆け足だと何も見れないんじゃない?」と聞かれることもあるけど、見どころは抑えているし、雰囲気も感じている。
ヨーロッパは1つの国に2日や3日ということがあったけど、時間的な都合で仕方ない。
たとえ一週間いても、二週間いてもその国を知れるわけではないので、だったら短期で「良いところ」を観ようと考えた。
20年以上いる日本で、新たな発見があるぐらいだから、他国をすぐに知れるわけではない。
表面的な部分だけを見ていた。広く浅く。
ただ、NYやロンドン、パリに1週間ぐらい居たように、大都会にはどっぷり浸かっている。
Q:旅先で心がけていたことは?
A.:「挨拶」。一番これを重視していた。現地の言葉を使うことに意味があって、南米ならスペイン語、中東ならアラビア語というように使い分けていた。
日本で、外国人のお客さんが日本語を使ってくれたら嬉しいように、外でも現地語を話すと喜んでくれる。
日本人はどうしてもコンビニ感覚で入っていく人が多いけど、海外でそれをすると無視されたり、対応が悪くなるので、初めの「挨拶」は大事だ。
挨拶をすることで、現地の人と会話をするキッカケになったり、サービスしてくれたり。個人商店やお土産、スーパーのレジなど人と会話する時は、現地語で「こんにちは」と言ってほしい。
Q:日本に帰ってきて感じたことは?
A:まずは我が母国、住みやすいし何も考えずに街を歩ける。日本の治安の良さを感じられた。
電車の中で人がスマホを見ている。実に日本らしい光景。海外だとスマホよりお喋りに徹する人が多い。
「何をこんなに話しているんだ?」と思うぐらい。日本と考え方が違うので仕方ないけど、人とのコミュニケーションの大切さは感じる。
何を食っても飯が旨い。外れはあるけども、他国よりも率は低い。日本人だから、日本の味覚に合うのは当たり前だけど、醤油や味噌が当たり前に手に入る環境に感謝したい。
ラーメン屋とか定食屋はある意味"日本の風景"なので、外国人に訪れてもらいたい場所だ。
◎これからのこと
とにかく今は学業に専念することだ。1年「世界」という学校で勉強したので、それを現在研究している学問に活かしていきたい。
僕は地理学を勉強しているので、「海外」というテーマでやっていく。
また、旅を通じてスペイン語を極めていった。大学でもスペイン語を学ぶ機会があるし、留学生と話す機会もある。
日本ではまずスペイン語を使うことはないので、とにかく忘れないようにしていく。
新たなことに挑戦、は多分していかないだろう。本業をまず大事にしていかないといけないので、一大学生として一年間生活していく。