代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「心の声に素直に従う」 森さん写真.jpg


森 雅貴
英国University of Sussex
International development and geography

僕をイギリスに導いてくれたのは、「素敵な同世代」。そして「途上国」です。僕が生まれたのは日本でも田舎と呼ばれる滋賀県の、さらに田舎と呼ばれる地域。山や川、田んぼ、たくさんの動植物に囲まれて生活していました。そんな田舎で、みんなと同じように地元の中学校に行き、みんなと同じように地元の高校に行き、そして当たり前のように大学へ行く。そんな田舎特有の流れがありました。

 でもそんな流れから抜け出したいと思ったのは、高校時代に出場したディベートの大会で、凄い同年代に出会ったからです。同じ年齢なのに、流暢な英語を操り、論理的に話している同世代との邂逅(かいこう)がありました。何より人間としてみんなとても素敵で輝いていました。そんな"同時代に生きる"仲間に出会ってしまい、僕はとてもワクワクしていました。

 こんな素敵な人達に出会えた。しかし、同世代だからこそ、簡単には負けたくないという気持ちにもなりました。その時から、留学という選択肢が自然に心の底から浮かんできました。

 僕には、小さい頃から抱いていた疑問がありました。それは、なぜ「選ぶことが出来ない生まれた場所」で、こんなにも人生に差が出来てしまうのだろうという疑問です。自分が生まれた滋賀県という地方と、京都・大阪・東京という都市部の違い。滋賀県に生まれたことで得たことはたくさんあると思いますが、得られていないこともたくさんあると思います。そして、何よりも、僕が生まれた日本という先進国と、たくさんの人達が貧困で苦しんでいる途上国の格差。幼い頃からそれがずっと疑問で、不思議に思っていました。それを研究する学問である「開発学」を勉強する、そう思うとイギリスという選択肢が自然と目の前に浮かんでいました。

 実は、明日から2ヶ月間、アフリカに行ってきます。なぜ行くのか。

 開発学という学問を勉強する以上、まずは自分の目で途上国を見ておきたいからです。授業では分からないことが、あるいは教科書では教えてくれないことが一杯あるでしょう。だからこそ、実際に直接途上国へ行き、自分の肌で途上国を感じ、途上国を見て、途上国で食べて、途上国を学びたいと思っています。将来は途上国に関係したビジネスを自分で起こしたいとも考えています。その最初の一歩という位置づけをしています。偉そうに聞こえるかもしれませんが、それ以上に自分の心に忠実になったら、行ってみようという選択肢が目の前に浮かんできたというのが正直なところです。"実体験"って大事ですよね。

 僕が一番大切にしている価値観は、自分の心に素直になることです。心から出てくる「想い」を大切にしています。行きたい所には行く。会いたい人には会う。やりたいと思ったことはやる。なぜなら、それは動けば、かなえられるから。

 僕たちはそれが出来る環境においてもらっています。途上国にはまだまだご飯をお腹いっぱい食べられない人達がたくさんいます。文字の読み書きがまったく出来ない人達もたくさんいます。一度も学校に行ったことがない子ども達がたくさんいます。僕たちが当たり前にやっていることが、まったく出来ない人達が世界には存在します。先進国に生まれたというだけで、僕たちの目の前にはたくさんの可能性があります。せっかく与えていただいたそんな可能性を無駄にしないためにも、自分の心には素直に従う。出来るのだから、やる。

 高校の時の僕の心は、「イギリスに行こう」と言っていました。だから実際イギリスに来ました。そして、今「アフリカへ行こう」と言っています。だから明日から、アフリカに行ってきます。

 さて、あなたの心は今なんと言っていますか?

プロフィール:
森 雅貴
英国University of Sussex
International development and geography

blog 「もりまさの紳士手帳」:http://morimasa05.com
twitter:https://twitter.com/morimaaakn
Facebook: https://www.facebook.com/masataka.mori.18?ref=tn_tnmn

記事一覧

フロンティア・フォーラムトップページへ戻る

アーカイブ