代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「僕はスーツを脱ぎ捨てて、アフリカに行く!」原田さん.jpeg

原田拓朗
JICA青年海外協力隊 平成26年度3次隊 セネガル派遣

 私は今回で4回目の「人生の寄り道」をすることになりました。青年海外協力隊を目指す方や、20代で将来について悩んでいる方の参考に少しでもなれば幸いです。

【ギャップイヤー・シーズン1 = 浪人】
 現在でも、小中高大学で「6・3・3・4」と過ごし、社会に出て一つの会社に一生を捧げるというのが一般的だと思います。私は高校卒業後、予備校に「進学」した時点で、その「本流」から外れ、記念すべきギャップイヤー・シーズン1が始まりました。


【ギャップイヤー・シーズン2 = 留年】

 浪人の末、無事大学に入れましたが、素直に4年で卒業せず4年と半年で卒業しました。浪人中にリストアップしていた「TO DOリスト」に書き込んだすべてを終えてから、卒業しようと考えたためです。留年した理由であるリストの内、以下2つ紹介します。

TO DO①:海外ボランティア
 学生NGOの一員としてフィリピンの通学路建設、副代表としてインドの家屋建設のプロジェクトに携わりました。企画、調査、現場での建築作業、渉外交渉、広報、資金調達など、NGOとしての一連の活動を経験させてもらいました。

 大学で公共経済学など貧困に関する勉強をしていましたが、実際に貧困を「見た」ことはなく、フィリピンやインドで経験したことは私の価値観や人生の進路に大きな影響を与えてくれました。特に、小学生1年生くらいの子供が夜遅くまで花やアクセサリーを売ったり、ゴミの収集車に上っては金属類を集めたりしているのを目撃したのが強烈な印象として残っています。

TO DO②:アメリカ交換留学
 大学3年の夏、米国のリベラルアーツの大学に1年ほど交換で留学をしました。私の所属していた日本の大学はマンモス大学だったため、クラスに100人超えは当たり前でした。そのような授業形式に疑問を感じていたこともあり、少人数のディスカッション形式で運営されている大学を選びました。大学では専門の経済学や政治学に加えて、黒人文学なども勉強しました。英語力が向上したことはもちろんですが、それ以上に、「覚える」ではなく、「考えて、表現する」ということに大変苦戦しながら、大きなものを得た1年でした。


【ギャップイヤー・シーズン3 = 大学卒業後の中国私費留学】
 貧困に苦しむ国と急激に成長していく国、なぜ世界はこのように大きな違いが生まれてくるのであろう?というのが私の疑問でした。特に、なぜ中国はこんなにも急速に発展できたのか?という点に大きな興味がありました。そこで、ゼミはアジア政治・社会を研究するものに入りました。その後、5年生の9月に卒業した後に、中国についてもっと知りたい!と思い、上海の復旦大学に私費で留学をしました。


【ギャップイヤー・シーズン4 = セネガルで一村一品運動】

 上海留学を終えたあと、3年3か月間、メーカーの社内コンサルとして勤務しました。人・仕事内容ともに恵まれて、不満はほとんどありませんでしたが、2年目の終わりから「このままで良いのか?」という漠然とした疑問が頭の中にありました。

 あることをきっかけにJCCP(NPO法人日本紛争予防センター: http://www.jccp.gr.jp/index.html)の瀬谷ルミ子さんのことを知り、開発分野に再び興味を持ち始めました。様々な選択肢を挙げた結果、中国ビジネスを極めるか、あるいはアフリカで開発援助に携わるかという2択に行き着き、最終的には開発援助のフィールドへ行こうと決意しました。

 部品メーカーという全く違う畑で仕事をしていたこともあり、大学院進学前に「現場」での経験がほしいと思っていたころ、青年海外協力隊に関して知り、早速申し込みました。運よく希望通り、セネガルでの案件をいただくことができ、来年の1月からコミュニティ開発という職種で赴任します。任地では一村一品運動を通じて、地域経済振興に寄与することが期待されています。私一人でできることは限られていますが、住民視点の提案ができるように頑張ります。


【最後に】
 進路について悩んでいるとき、お金のこと、将来のこと、家族のこと、恋愛のことなど、色んなことを気にしてしまうと思います。私の場合はとにかくシンプルに考えて、自分に対して素直になれたときに、やりたいことが見えてきた気がします。「百術ありといえども、一清にしかず」ですね。

プロフィール:
原田拓朗
 大学卒業後、部品メーカーで3年3か月、社内コンサルとしてサプライチェーンにおけるコストダウンとサービスの向上に貢献しました。来年1月からは青年海外協力隊としてセネガルに赴任予定です。

ブログ:
Qiufengのブログ:http://ameblo.jp/stupidyellowman/

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