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日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「思い立ったら、すぐ熟考。」和田さん写真.jpg


和田菜摘
英国サセックス大学 国際関係学・国際開発学部1年


 今、私は人生の岐路に立っていると思う。

人生は長い。そう考えるとたいして大きいことではないかもしれませんが、
今の私からすれば、この選択は大きなものになると思います。

 現在、私はイギリスにあるサセックス大学の国際関係学・国際開発学部1年次に在籍しています。高校卒業後、留学専門学校で1年間英語を学び今年の9月に渡英しました。先月こちらで20歳の誕生日を迎えました。日本人として生まれた私には20歳という誕生日は、これまでの、そしてこれからの私の人生を考えるきっかけとなりました。


これまでの私の人生。
 これまでの、そして現在、イギリスの大学に在籍しているというこの道は、両親が与えてくれた私のPersonalityとたくさんの出会いによって創り出された唯一の人生です。

 小中高と何も考えず与えられた道を歩んできた私でしたが、高校生のとき大学受験というひとつの大きな選択に立ちはだかったときに、私の中身は空っぽでした。大学受験。人によって重要度は違うと思いますが、私にとっての大学受験、そしてその後の大学生活、重要度が高いものでした。だからこそ、「昔から英語が好きだから国際教養学部に入りたい。留学もしたいな。国際関係学も学びたいな。」そんな単純な理由では決められませんでした。

 高校2年次、周りがすでに志望校を決め予備校に入り始める中、ただただ何も決められず、たくさんの大学資料を眺め続ける毎日。そんなとき、たまたま見つけた「海外に進学しませんか?」という広告。「これだ!」私は直感でそう思いました。それからは好奇心の塊のような性格上、そして「思い立ったらすぐ行動」がモットーであった私にとって、風のごとく"スッ"と、色々なことが決まり出しました。

 憧れだけでは決められないということで、春休みを使って短期でFijiの現地校に入り実際に授業を体験しました。初めての海外、そしてFijiという、いわゆる発展途上国と言われる国での生活は大変なこともありましたが、物の見方、価値観が180度変わりました。なによりも、「海外で勉強したい!」と思わせてくれる体験が蓄積できました。毎日当たり前のように安全で美味しい水やご飯が手に入り、学校に通える私たち。

 対して、Fijiでは道端にストリートチルドレン、整っていないインフラや学校設備。その中でも現地の学生たちは目をキラキラ輝かせながら明確な将来の夢を持ち、それを目指し日々の授業に取り組んでいる。そんな姿を目の当たりにして感銘を受けました。そして、この体験が私の今の進路に至った決定打となりました。


イギリスに来て思うこと、私のこれからの進路。
 3か月で、日本にいたら分かり得ない、たくさんのものが世界にはあるということを知りました。ただ開発学を学びにこの大学に来たけれど、「私はこのまま勉強していても決して国際開発に大きく携われるようなことはないだろうな」と感じています。なぜなら、私は私のPerspective(自分の社会的、文化的、政治的背景から来るものの見方、考え方)からでしか途上国を見られないから。
 毎日、多くのアフリカ出身のコースメイトたちと勉強する中で、私の考える開発学と彼らの考える開発学がまるで違うことに気が付きました。
 そして私が写真や資料、データからでしか見られない現状を彼らは目の当たりにしてきているのです。だからこそ、開発学を学ぶ上のマナーとして途上国の開発に何が必要なのか、何が最重要課題なのか自分の目で見て、感じたいと思いました。


思い立ったら、すぐ熟考。
 「若いうちは思い立ったら後先考えずにすぐ行動しなよ!」よく聞く言葉です。私もそれがモットーでした。ただ今は少し違います。お金も時間も限りがあります。頭の中に詰まっているたくさんの道筋。私はこの中から自分にとっての最優先事項は何か決めなければなりません。
 私のここでの"熟考"はあくまで前向きの意味。時間はかけたくない。先を見据えたうえで将来の最終的な目標や夢はぶれないように私は今できる最善の選択をしようとしています。学生であるという特権は大人には与えられない、人生のギャップイヤーのようなものではないでしょうか。自分次第でその後の人生を大きく変えることができる豊かな時間だと思います。

Variety is the spice of life.

 たくさんの経験を積んで、たくさんのPerspectiveから世界を見られるようになって、ひとりの大人として、そしてひとりの人間として、社会に出たときに自分の経験を表現できるようになれたらと思います。


プロフィール:
和田菜摘 wada natsumi
サセックス大学International Year One在籍中
都立国分寺高校卒、日本外国語専門学校留学科卒
Twitter:@xxjohnpi
FB:https://www.facebook.com/natsumi.wada.35?fref=ts
Blog: http://ameblo.jp/natsumi1121

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