橋本裕保
青年海外協力隊 平成25年度2次隊コミュニティ開発 マラウイ派遣
『中学2年の冬からピアノを習い始める』、
『高校から野球を始める』、
『第一希望で就職した会社を辞める』。
これまでの私の人生では何度か、いわゆる『常識』とは少しズレた決断をしてきました。
皆さんには、このような小さなギャップを経験したことはありますでしょうか?
私がなぜそんな決断をしてきたのかを振り返りつつ、この"小さなギャップ"をテーマにメッセージを送らせていただきます。
決断の理由は単純!『やりたいと思ったから』
ピアノを始めた理由は、中学2年生の時の合唱コンクールで男子の友人がピアノ伴奏をしていてカッコ良かったからです。高校から野球を始めたのは、当時陸上部だった私がグラウンドの反対側で練習する野球部を見ていて面白そうだと思ったから。会社を辞めて協力隊になったのも、「途上国で生活したい!」と思ったから。全て単純に「やりたい!」という気持ちから決断してきました。
後押しをしてくれた母に感謝
周りと違うことをやろうとすると、もっともらしい理由で周囲から反対されます。『中学生からピアノを始めるなんて遅すぎる』、『高校から野球を始めてもレギュラーを取れるはずがない』、『せっかく入った第一希望の会社を辞めるなんて何を考えているんだ』などなど。そんな反対の声を知りながら「あなたの人生なんだから、やりたいことをやりなさい」と後押しをしてくれたのが母でした。そして、一度決断をして努力をしていると周囲の人が応援してくれます。
結局、ピアノでは目標としていた3年生の合唱コンクールで伴奏はできませんでしたが、憧れの課題曲の伴奏は弾けるようになりました。野球では、レギュラーは取れませんでしたが10年経った今でも付き合いのある大切な仲間ができました。そして、会社を辞めたからこそ、今マラウイで毎日貴重な生活を経験しています。
周囲とは違うことを自分で決断したことで、自分の決断に責任をもち最後まで投げ出さずにやり切るという姿勢が身に付きました。また、当時は分かりませんでしたが、いつも背中を後押ししてくれた母への感謝の気持ちを今はとても感じています。
青年海外協力隊の経験を通じて成長
「やるぞ~!」という気持ちでマラウイに来たものの、活動する上ではたくさんの困難があります。言葉が通じない、配属先に予算がないため思ったことができない、そもそも何をしたら良いのかも自分が本当に必要とされているのかも分からない・・・。
そんな状況でも、悩み苦しみながら、同僚を巻き込み現地の人のニーズに応えた活動を実行していく。
日本で働き続けていたら、今頃は若手中堅社員として着実に成長していたと思いますが、マラウイでの活動を通じてそれ以上に成長できていると感じています。
協力隊で得られた経験は、間違いなく今後の人生にいきると信じています。
最後に
『僕はきっと今いつかの夢の上に立っているんだね
僕はきっと今誰かの夢の上に立っている』
RADWIMPSの『夢番地』という曲の歌詞です。大好きな曲の一つで、自分のやっていることが不安になった時や『頑張るぞ!』と自分を奮い立たせたい時に聞いています。
自分が選んできた選択肢は、他の誰かがやりたくてもできなかったことかもしれない。
そう思うと、気が引きしまります。
自分を支え応援してくれた母や友人、仲間に感謝しながら、今日もアフリカの大地で試行錯誤しています。このエッセイを通じて、皆様が周囲とのギャップを選ぶ際のちょっとした後押しができれば嬉しい限りです。
やりたいことがあるならば、できない理由を挙げるのでなく自分の気持ちに正直に飛び込んでみた方が、悔いのない人生が送れると思います。
Zikomo!!(マラウイの現地語で「ありがとう」)
プロフィール:
橋本裕保(はしもとゆうほ)
東京都東大和市出身。大学卒業後、教育関係の企業に3年10か月勤務。2013年1月に退職後、同年9月からマラウイに派遣。マラウイ南部のブランタイヤ県ルンズ農業普及所にてコミュニティ開発隊員として活動中。
Twitter:@tobeufo
Blog:「とべ、UFO! ゆうほの協力隊ブログ」http://tobe-ufo.com/
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