代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「 ロリータファッションで世界を幸せに!」井出さん写真.jpg


井手彩名
国際教養大学ギャップイヤー12期生
※本年9月入学予定

 雀の涙ほどだったお小遣いを貯めて、生まれて初めて買ったロリータファッションのブランドのカットソーに袖を通したことを、今でも鮮明に覚えています。当時の私にとってロリータ服は高価すぎて、ようやく買ったその一枚のカットソーが、大切な宝物のように感じました。それが中学校3年生の、冬のことでした。不思議の国のアリスやドレスのお姫様に憧れながら生きてきた私にとって、それは確かに夢が叶った瞬間でした。

 洋服には、人を幸せにする力があります。自分が好きな洋服を着ることは、私に小さな"万能感"を与えてくれました。それを知った時が、私の人生が変わった時だったのだと思います。

 私は現在、秋田国際教養大学、12期秋入学生としてギャップイヤー活動を行っています。まだまだギャップイヤー活動は"国際協力活動"であったり、"ボランティア"のために使うべきと思っている人は周りに多いのですが、そんなことはありません。私はギャップイヤーとは、人生の中でそんなにたくさんはない、全てを自分で決定していい贅沢な時間なのだと捉えています。

 そんな贅沢な時間を、私はロリータファッションで世界を変える準備期間として使おうと決め、それをプレゼンテーションして大学に合格しました。

 7月の頭にフランス・パリで行われる大規模な日本文化を紹介するイベント、Japan Expo Parisに出展参加することを大きな目標として、現在、商品の準備や、資金集めのためのクラウドファンディングに挑戦しています。

 ロリータファッションで世界を変える、なんて大げさだと色々な人に言われます。ふざけて「ロリータファッションで世界征服する!」と、友達に言ったこともありますが、私には明確なビジョンがあります。

 最初にも少しお話しした通り、ロリータファッションは高価な洋服です。少なくとも、ロリータファッションを一番着たいと思うであろう十代の女の子たちにとっては買うのが難しいくらいには、高価です。ロリータ服が欲しくても、着てみたくても、一番着たい人たちに、現状、ロリータ服は届かないのです。

 中学生の頃の私は、「高くて買えないなら自分で作ればいいじゃない!」 と考えたのですが、物事はそんなに単純ではありませんでした。市販されているロリータファッションを作るための型紙は難しく、ちゃんと洋裁の勉強をしたことがない私はとても自分で服を作ることなどできませんでした。
 
 そうして考えたのが、ロリータ服を作るキットを販売する、というビジネスプランでした。それも、専門知識のいらない、並縫いとミシンのセットさえ出来れば簡単に作れるキットの販売です。安くて、簡単で、可愛いロリータファッションを作るキットがあれば、もっと多くの人にロリータファッションを届けられるのではないかと思ったのです。

 可愛いものに憧れる気持ちは万国共通です。今現在ロリータファッションを始めとする日本のポップカルチャーは海外からも注目を集めています。だからこそ、このファッションをより普及する形にすることは有意義だと思っています。

 このビジネスプランを引っさげて、高校1年生の冬に、横浜市主催のビジネスプラングランプリに参加しました。ここでアンダー22部門優秀賞と、オーディエンス賞をいただけたことは本当に大きな自信になりました。このビジネスを、必ず何らかの形で実現させようと心に決めました。

 そうして秋田国際教養大学に入学が決まり、今はこのビジネスプラン実現のため、勉強と経験を重ねています。ロリータファッションで世界を幸せにしたい。決して無理な話ではないと思います。私はロリータファッションに幸せと、自信と、夢をもらいました。洋服が持つ、人を幸せにする力をよりたくさんの人に届ける手伝いを、私の仕事に出来ればこんなに幸せなことはありません。


▼パリのJapan Expoで簡単可愛いロリータアイテム製作キットを売りたい!(クラウドファンディング Makuake)
https://www.makuake.com/project/poupeecouture/

▼ギャップイヤー・プロジェクト Facebook Page
http://www.facebook.com/poupeecouture.project

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