代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「休学という勉強 めぐり合わせが与えてくれたもの~今したいことが見えるギャップイヤー!」今城さん写真Borobudur.jpg


今城 樂
高知大学人文学部国際社会コミュニケーション学科3年=1年休学、海外一人旅中

●はじめに
 僕は今大学を1年間休学している。2013年2月から翌年3月末までの約14か月間。半年働いて資金を稼ぎ2ヶ月フィリピンで語学留学して半年で世界一周するという計画で始め、紆余曲折ありつつも、様々な内容の単発派遣のお仕事、ヒッチハイクでの被災地訪問(高知~気仙沼間は1350Km)、フィリピン語学留学(2ヶ月)、短期契約派遣のお仕事(1か月半)を終え、現在一人旅の最中だ。


●休学前の生活ときっかけ
 大学でのこれまでの2年間は楽しいものではあったが、努力も何もせずただ漠然と過ごしていた。専攻の関係で周りは留学に行く人が多かったが、ただ"凄いなあ、みんな"と思いながら眺めていたことを思い出す。

 そんな2回生の終わりに、このFF欄のエッセイ集にも寄稿されている青木優さん(文末に参考)から、ツイッターで偶然フォローいただき、世界一周に興味を持った。大学で学びたいことを持ってない、未体験のことに挑戦してこなかった。そんな自分を変えたくて、今年度休学し自分も旅に出ることを決めた。その決断をきっかけに、人生がガラッと変わった。予想外の学びも数多くあったし、休学したことに後悔は全くない。むしろしてなかったら後悔していただろう。それくらいたくさんの学びと出会いがあった。


●初めての海外、フィリピンでの語学留学
 まずはフィリピンでの2か月の語学留学。20年間生きてきて初の外国、初の発展途上国だ。あらゆることが日本と違った。そんな世界での暮らしが楽しかったし、将来生活するところは何も日本だけではないということを実感できた。そしてなによりも将来こういう男になりたいと思い尊敬する二人に出会えたことが大きかった。


●三重県での短期派遣で学んだこと
 次に三重県での1か月半の短期派遣のお仕事。あるホテルのレストランでサービス業をしていた。ここでの経験も今の自分に大きな影響を与えている。怖くて厳しい上司がいて、理不尽だと思うこともあり、仕事がとてもしんどかった。苦痛だった。僕は途中でその人から逃げる道をとったが、今思えば惜しいことをしたとも思っている。しかしどちらの道も正解だったのだろう。それもその上司のおかげである。当時はそのことを理解することができなかったが、自分の甘さを痛感したし、人生で成功するために必要なことを教えてくれたと今は思っている。その時に自分に足りないと学んだことを今、本から学んでいるが、そのおかげで旅がどんどん豊かなものになっていってるのが実感できる。正直良い思い出ではないが、出会えた人々にとても感謝している。中でも僕を叱ることにエネルギーを使ってくれた上司の方々に。


●旅の中での出会い
 人、自然、文化、ハプニング。様々な要素が刺激を与えてくれる。どんなことも捉え方一つでプラスになる。このことも三重県でのお仕事で学ばせてもらったことの一つなのだけど。

 ヒッチハイク旅の時もそうだったが、旅は普段会えないような人にめぐり合わせてくれる。僕にはそれが"巡り会わされた"としか思えない。すべてのめぐり合わせは、タイミングよく僕のもとにやってきた。これまでも、そしてきっとこれからも。そうして出会った人との関わりが続くことで良い刺激をもらえるし自分がしたいことが少しずつ見えてくる。

 今はまだ3か国目。マレーシアにいる。「インドネシア→シンガポール」と来て北上している最中だ。旅は始まったばかりだが、すでに感じたことが多くあり、今すぐ日本に帰って勉強したいという気持ちも強い。だがこれからも旅の中でまた多様な考えや感性を与えてくれるものに出会い、さらに自己成長する機会に恵まれるだろう。旅することも勉強だ。


●休学(ギャップイヤー)について
 長期間のもの(企業で働く、長期旅・ボランティア等)を除けば大学に通いながらでも上記のような出会いや経験を持つことは可能だろう。様々な分野のことに高いレベルで挑戦している人もいる。しかしギャップイヤーを経ることでその挑戦を始める出会い、きっかけに出会いやすいと僕は思う。何もかもが自分で決められる自由な時間のおかげで環境を180度変えられるし、その環境の中で新しく学べることはたくさんある。休学したからこそ学べることもあるはずだ。そこから"今したいこと"が見えてきて大学生活がより充実したものとなる。

 大学生活に関する例えとして、"朝起きてまだ寝たいなと感じる。寝続けるのは簡単でとても気持ちがよい。でも寝すぎた後に少し後悔する。もし頑張って早起きしていたら清々しい朝を迎えられたことで早起きしてよかったって思うだろうし、何かよい出来事があったかもしれない。"ただ楽しく過ごす大学生活と楽しくかつ実り多き大学生活の違いはそんなものなのじゃないかと僕は思ってる。休学しなくとも"早起き"して頑張ることができる人もいるが、そうでない人でもギャップイヤーから大学でしたいことが見つかれば、きっと自分から"早起き(努力)"し始めるはずである。


●終わりに
 僕はこれからもたくさんの出会い、めぐり合わせの中で勉強し続ける。一人で旅してて辛い時もあるし、健康や死に対する不安もある。しかし、旅に出たからには生きて帰るのが責任だと思っている。応援してくれる人たちのおかげで頑張れる。旅が終わってからも僕はハードに勉強し続ける。こんな僕の旅を、人生を、一人でも多くの人に応援していただければ、僕は最高に幸せだ。

 そしてこの記事がまた、僕にとっての青木優さんとの出会いのように、誰か一人でも多くの人の一歩を踏み出すきっかけになってくれれば嬉しい。

 最後に、こうして文章にすることで改めて気付けた部分が多々ありました。拙い文章ではありますが、こうして書く機会を下さったJAGPの皆様、また読んでくださった方々、めぐり合わせに感謝します。ありがとうございました。

プロフィール:
今城 樂
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ブログ:http://gakujo.blogspot.com/
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(参考)
2012年2月15日エッセイ集 フロンティア・フォーラム No42:「約7ヶ月の世界一周の旅を終えて」 青木優さん(当時、明治大学国際日本学部4年=休学中)
http://japangap.jp/essay/2012/02/post-12.html

JGAP寄稿者短信:今城 樂(高知大学)「フロンティア・フォーラム欄に書ききれなかったこと~改めて旅の理由と目的 」http://japangap.jp/info/2013/10/jgap-upm.html

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