代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「 過去の自分と断ち切るため、ソフトテニスで世界一周を!」田中さん写真.jpg


田中 隆彬
武蔵大学経済学部 4年次休学中@世界一周中

世界一周のきっかけは、失恋と吃音(きつおん)の過去を断ち切るため
 僕は都内にある大学に通っている、どちらかと言うと大人しく控えめな大学生だ。そんな何処にでもいそうな僕は昨年の後期から僕の中にある歯車が狂い始めた。留学中の彼女に振られた僕は大学に行かなくなり、吃音持ちの僕は克服するため練習したが結局は怖くなり就職活動からも逃げ出した。そして、いつまでも閉鎖的な自分に嫌気がさし、日本にいて何も行動出来ないならと過去を断ち切れるか白黒はっきりさせるために海の向こう側に飛び立つ事を決意した。

 上にも記したが、僕は吃音症で上手く言葉が出てこない。吃音とは言葉に詰まって同じ音を何度も連発することや、次の音が出てこないがために流暢に発声できない病気だ。幸いにも僕は障害手帳を貰う程の重度のものではないが何気ない会話でも何度も聞き直されることはざらにあり、一時期は人と会う事を拒んだ時期もあったが、行動しないで後悔するなら行動して後悔したほうがマシだと考え、全学部内で最も厳しいゼミに所属し練習を積み重ねてきた。その結果、大学内で行われたプレゼンコンテストでは優勝し、それは僕にとって大きな自信に繋がった。

 だが、完璧に克服した訳ではない上に、異なる言語を使うとなると自信よりも不安が上回ったため、他に自分の武器になるものを旅に持って行くべきだと判断した。それは幼い時からしているテニス、それもソフトテニスを通して会話以外の方法でも人と関わろうと挑んでみることにした。


ソフトテニスは、意外かもしれないが"日本発祥"。その魅力を世界に伝える!
 何故、世界一周中にソフトテニスなのかと言うと、僕自身ソフトテニスが好きでその楽しさを共感して貰いたいのと同時に、空手や柔道と同じくソフトテニスも"日本発祥"のスポーツであるというのが決心した大きな引き金となったからだ。ソフトテニスと言えば中学、高校の部活動にあるため殆どの日本人は名前くらいなら知っているだろう。ソフトテニスとは硬式テニスのようにコート上でラケットとボールを使うのだが、ゴム素材で製造された白色の柔らかいボールを使用する、というのが大きな特徴だ。

 けれども、世界的に見るとマイナーなスポーツで、アジアとヨーロッパーの一部の国々にしかまだ存在しない。そもそも日本発祥であるにも関わらず、名前しか知らない日本人でさえボール1つ見せただけで珍しがる人がいるくらいだ。だから、僕は日本でないと知ることが難しいソフトテニスをもっと世界中に普及させたいと考え、だったら僕自身から発信しようと試みた。僕は全国大会に出るような技術は持ち合わせていないが、ソフトテニスの楽しさ、素晴らしさを人々に教えることは僕にでも出来ると、そう気持ちを引き締めてバックパックと共に用具を詰め込んだラケットバッグを持ち日本の外に飛び出した。

 僕は現在、フィリピン留学後からタイ、バングラデシュ、ネパール、インドという順に来ており、実際に孤児院や空き地に足を運び子供達を中心にソフトテニスを教えているが、ある程度打てる場所を探すのに苦労しているというのも事実だ。ギターのように場所を選ばなくとも出来る代物ではないし、サッカーのように凹凸がある広場でもかなり厳しいものがある。

  しかし、例えテニスコート上でなくとも、ただラケットが振れてボールに触れる機会を彼らに設けてソフトテニスの面白さを共感して貰いたいのだ。 


言葉がなくても、人は繋がれることを実証したい!
 僕が現在海外にいて、何をしているのかを列記してみたが、要は人との繋がりというはもちろん言葉を交わせば相手と意思疎通出来るが、言葉がなくたってそれは可能なのだということを会話が苦手な僕自身が身を持って証明することで、同じ旅人だけでなく、日本にいて僕と同じ悩みを抱えている人々にも勇気を与えられると信じて、僕は今日も旅をしている。


プロフィール:
田中隆彬
武蔵大学経済学部4年次休学中 世界一周中
Twitter:takakuro79
Facebook : Takaaki Tanaka
Blog: http://monkeytakaaki.dreamlog.jp

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2012年6月8日付エッセイ集 フロンティア・フォーラム No.69:「『生き方』を変えていく旅~3月11日生まれの僕」 白井耕平さん(武蔵大学人文学部=2年次休学中 ※当時、世界一周中)
http://japangap.jp/essay/2012/06/311.html

2013年1月19日付エッセイ集 フロンティア・フォーラム No.102「僕が世界中で"ふんどし"になるワケ」 長谷部和希さん(武蔵大学社会学部メディア社会学科3年 ※当時)
http://japangap.jp/essay/2013/01/post-40.html

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