井口明
秋田大学医学部医学科=2年次休学中、現在モロッコ
医学生にとっての休学とは?
「1年間休学させてください」
大学1年の昨年秋、休学申請手続きを始めた僕に対する反応はなかなか厳しいものだった。
・理由が何であれ、休学・留年で学年を下げることは、その後の実習などで不利
・秋田大学では医学教育のカリキュラムが年々改変されており、「遅れ」が発生するため、復学後に独学で学ばなければならない分野が出てくる
上記のような具体的な「休学のリスク」を担任の先生や学科の先輩から延々と聞かされた。医師不足で騒がれる現代において、たかが1年されど1年で、医師として生涯労働年数を減らす行為は簡単には許容し難いようだった(幸いにも担任の先生の心ある理解と助力のおかげで、僕は「休学許可証」をもらえた)。
大学に入学して1年間、僕が感じたのは"閉塞感"にも似た感情だった。批判するつもりは毛頭ないが、僕個人としては良くも悪くも医学科内で自己完結しているような風潮を感じずにはいられなかった。
「このまま医療関係者だけの世界で自分の人生が完結してしまうこと」、それに僕は嫌な気がした。「良い医者」の定義は難しい。技術やプロフェッショナル意識、人間性、その他いろいろな要素を統合した優れた理想の医師像。「自分にとってのそれに近づくには、このある意味"居心地の良い空間"に浸っていては駄目なのでは?」そんな疑問と懸念もあり、最終的に休学という道を選択した。

