代表ブログフロンティア・フォーラム

日本をよくする提言から多様性を高める主張、ギャップイヤー文化構築提案まで、
多種才々なイノベーター達のエッセイ集

「旅へ出よう、刺激的な不自由さで彩られた世界へ!」川人さん.JPG


川人ゆかり(kawahito yukari)
(ローカルキャリアカフェ代表)


 わたしは現在フリーランスとして働いています。

 キャリアと教育という二つの領域において、これまた海外と日本の地域という二つの異なる場所を舞台に、複数のプロジェクトに参画し仕事をしています。一緒に仕事やプロジェクトを進める相手は地域の高校生からインド人までと幅広く、まさしく多様性の真っただ中で生活をしています。

 そんな今に至るまで、わたしは二十歳で初めて海外に出て以来、アジアと中南米を中心に合計2年半以上三十数か国をひとりで旅してきました。
 
 これらの旅での経験はすべて今の自分にとって糧となっているどころか、私の人生を何度も大きく変えてくれました。そして抱えきれない程たくさんの思い出は、今もなお美しく人生を彩り続けてくれています。

「私の人生を変える休学中の経験~攻めのギャップイヤーで得られること」柴田さん写真1.jpg

柴田紘希
法政大学4年/NPO法人はちきたSC


トライアスロンに打ち込んだ大学生活、そして挫折
 私は大学からトライアスロンを競技として始めました。当然、上位に食い込んでいくためにはスイム・バイク・ランの三種目ともトップレベルの実力を持っていなければならず、それに伴って練習量も多くなります。私は幸いなことに1年次からある程度の成績を残すことができ、2年次の冬には日本のトップで戦っているプロのアスリートの方と練習させていただいていました。

 一日の練習時間は8時間なども普通で当然体は限界を迎えてしまいます。負けん気の強かった私はケガや体調不良を押して練習を続け、練習もままならないような状態に陥ってしまい文字通り燃え尽きてしまいました。将来はトライアスロン選手として活動していこうと考えていた私にとって、私自身のアイデンティティを失う強烈な経験となりました。


1年間の休学を決意
 大きな挫折を味わい、数か月間は自分探しと称して様々なセミナーや勉強会に毎日のように参加していました。その中で、「スポーツが好き」「人が好き」という二つの私の原点に立ち返ります。そして原点を踏まえ、どのように人生を歩んでいくのかを考えながら生活していた時、地域の住民が運営するスポーツクラブの存在を知ります。新しい取り組みとして、運営母体が企業でも行政でもない地域住民が作り上げるスポーツクラブの姿は私にとって衝撃でした。

 「もっと地域のスポーツクラブについて学んでみたい、本物を見てみたい」そんな単純ですが強い思いから、休学を決意します。両親との話し合いを経て、休学中の生活費は自分で出すこと、そして1年間の休学の後にきちんと大学を卒業することを条件に休学の許しを得ることができました。この時、地元政令指定都市の地方上級公務員試験に合格していた私にとって休学は大きな決断でしたが、自分のもっと学びたい、現場を知りたいという欲求が勝りました。


講義や本で学んだことはあまり役に立たない
 休学中の活動先は、地域スポーツクラブでクラブスタッフとしてクラブ運営のほとんどを仕事としてさせていただけることになりました。学生・大学という環境を離れ、地域・社会人の中に混じり活動を行ってきた経験は確実に私の成長につながるものでした。同時に、学生・大学という狭いコミュニティの中に留まっていることのもったいなさを感じました。

 実際に現場で働いた中で何度も驚かされたのは、大学の講義や本の中で学んだことは実際の仕事の中ではほとんど役に立たないということ、そして、自ら考え行動することが大切なことです。社会人の方々には当たり前のことだとは思いますが、私が知る限り、多くの学生はこのことの重要性に気づいていないと思います。学生のうちから社会の中に入って活動をすることで大学では決して学べない、しかし、とても重要なことを得ることができるのです。その意味で、私にとっても、休学し社会の中で活動したことは大変貴重で、私の考え方や今後の人生を大きく左右する期間でした。
 

休学すべきか迷っている人へ
 他の人と比べると幾分変わった道をたどる休学という選択は、決定するのに迷いや不安も多分にあると思います。しかし、10代や20代の1年間は人生全体を見通した時には大変短い期間です。たった1年間でも、この時期に経験する内容は今後の人生を大きく左右し、実り豊かなものにすることができる可能性を秘めています。ぜひ、やりたいことがある人は挑戦する勇気を持っていただきたいです。

 ただ、一つ注意したいのは休学にあたり、やりたいことをはっきりさせておくことです。目標のない休学は時間を無駄にしてしまう可能性が高いです。休学をすることによって大学という縛りから離れることになります。つまり自ら目標を掲げ、自分を高める環境に飛び込まなければただ無意味に時を消費するのみです。1年間卒業が先延ばしになることにリスクはありません。就活で不利になることもありません。ただ、休学していた期間に何をしていて、何を学んだのか説明できない無意味な1年間を過ごしてしまうことがリスクなのです。

 ぜひ迷っている人は自分のことをよく考え、理解したうえで実りあるギャップイヤーを過ごしていただけたらと思います。また、本掲載文がお読みいただいた方に少しでもお役立てただければ幸いです。私はフェイスブックを活用しておりますので、ご興味がある方はお気軽にメッセージやコメント等でコンタクトをとっていただけたらと思います。私にできることがありましたら喜んでお力になりたいと考えております。


プロフィール:
柴田 紘希(Hiroki Shibata)
1991年10月生まれ 法政大学スポーツ健康学部4年。
大学から始めたトライアスロン競技では、1年次から全国大会に出場。2年次には関東学生選手権9位、東海選手権6位、静岡県選手権2位などの成績を残す。
その後、オーバートレーニングによる度重なるケガと内臓の失調に苦しみ競技を引退。
公務員試験に合格したが辞退し、3年春学期から4年秋学期にかけて1年間休学。
その間、地域(東京都八王子市)のスポーツクラブである「NPO法人はちきたSC」(http://www.hachikita-sc.net/)の事務局スタッフとしてクラブの広報、企画、経理、営業など地域の中で活動を行う。卒業後は筑波大学大学院に進学予定。体育経営学の大学教員を目指し、勉学に励む。

facebookアカウント:https://www.facebook.com/hiroki.shibata.35
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JGAP寄稿者短信: 「世界中のカッコイイ生き様をこの目に焼き付ける。−世界一周×キャリア−」hazama1.jpg

狭間純平
一橋大学法学部 CAREERPACKER PROJECT 


こんにちは。2014年9月から世界を回っている、現在一橋大学3年、兼旅人の狭間純平(@junpei_hazama)です。
今はアメリカ・ニューヨークでこの記事を書いています。
1ヶ月のフィリピン留学から始まり、52日間の東南アジア15都市の旅を終え、その後、東へ。今回は、そんな僕が旅をしながら行っているプロジェクト、CAREERPACKER PROJECTについて説明します。


✔世界一周CAREERPACKER PROJECTとは
「CAREERPACKER PROJECT」とは、簡単に言うと、"世界中のキャリア"をテーマに旅をして、それは発信するプロジェクトです。
約250日の旅で、東南アジア、北米、南米、ヨーロッパ、アフリカ、中東、南アジア、東アジアと周り、現地のカッコイイ生き様の人を取材したり、職場訪問をしたり、現地の人のキャリア事情について調べたりして、それを記事としてWEB上で発信していきます。
名前の由来は"キャリア(CAREER)をテーマに旅をする人(PACKER)"です。
・自分のキャリアの道標を見つける。
・世界の視点でモノゴトを考えられるようになる。
・同世代の若者にアクションを起こすための刺激を与える。
以上の目的を掲げて、現在旅をしながらプロジェクトを進めています。


✔カッコイイ大人との出逢い

では、なぜこんなプロジェクトをやっているのか?
僕はこの長期の旅に出る前から旅が好きでした。
大学1年の夏に、友達8人で東京--大阪をヒッチハイクしたことがきっかけで、自分が普段生活しているところから一旦離れ、新しい出会い、環境、景色を求めることに大きな刺激を覚え、旅に魅了されました。
それから、高校から続けていたハンドボール部を辞め、"自分が魅了された旅を広めたい"という単純な思いから、東京旅人会という旅イベントを行う任意団体を設立しました。この団体を運営していく中で、今まで出逢ったことのなかった多くのカッコイイ大人の方とお会いしてきました。


✔背伸びだけでは足りない
ただの大学生の僕がそういう方と話して実感したのは、『自分がいかに無知だったかということ。』
僕はたった一つの団体を作っただけで、頑張って背伸びをしてきました。しかし、僕がお会いしてきた、彼らのような芯の通ったカッコイイ大人たちとのギャップを埋めるには、背伸びだけじゃ足りない、ここで、一度どかんと成長しなきゃいけない。
自分の中でそう発起してから、元々、大学生活中に世界を回るということを決めていたのもあり、世界中にいるカッコイイ大人に会いに行く、というのを決めました。彼らの生き様(僕はこれを広い意味でキャリアと呼びます。)を学び、それを、自分を形成していくためのヒントにする。

そんな経緯から、成長のための旅にしようと決意しました。
*ここであえて、カッコイイ大人と曖昧な表現をしたのは、例えば、グローバルに活躍するカッコイイ人がいる一方で、ローカルに活躍するカッコイイ人もいるわけで、そこに定義付けはできないと思ったからです。


✔同世代への違和感と危機感
以上のような経緯で、旅をすると決めてから、ふと周りを見渡した時に、
自分と同じように危機感を感じている人が多かった。
ましてや、僕の同期はこれから4年生になり就活が始まります。就活という、自分のこれからのキャリアを考えていく時に、自分が何をやりたいのかについて考えない人はいないと思います。
じゃあ僕の世界一周×キャリアという旅を通じて、社会に対して、同年代の若者に対して僕は何が出来るのか、何をしたいのか、を考えました。

・・・
そんなときにふと頭に浮かんだのが僕達の世代の平成生まれの「ゆとり教育」というキーワード。実際に「平成生まれ ゆとり教育」でグーグル検索してみると、
日経ビジネスには 
"個性重視の「ゆとり教育」で育ってきたためか常識が乏しく、内向きでチャレンジ精神がない。そんな先入観が定着している" という風にも書かれています。
僕達の世代はこんなネガティブなイメージを持たれているのに、
さらに、雇用の不安定や少子高齢化による様々なしわ寄せで自分たち自身も、内に内にとネガティブになりつつあります。僕はこれに違和感を感じたし、実際に自分たちの世代がこのように言われていることに危機感を感じています。
・・・


✔同世代の若者に刺激を与えたい
でも、そのイメージを変えていくには自分自身でアクションを起こしていくしかない。

もっともっと若者が外を向いて積極的にいろんな物事に挑戦していくしかない。
じゃあいつやるの?今でしょってっことで
僕にも何か変えられることがあるかもしれない。
そんな思いもあって、僕は自分の旅を通じて、若者が今すぐ動きたくなるような導線を仕掛けていきたい。そして、自分と同じように何も知らないことに危機感を感じた人たちに、これからのキャリアについて考えるヒントを与えたい。
そんな思いからCAREERPACKER PROJECTでは同世代の若者に刺激を与えるというミッションを掲げました。


✔最後に
hazama2.jpg


現在、東南アジアの旅を終え、プロジェクトも一区切り。
多くの人の協力のおかげで、全くの手探りの状態から、世界中で活躍するカッコイイ大人の方たちと色んなお話をさせて頂いております。また、そのインプットから沢山の刺激を受け、少しずつ自分の目指すキャリア像について見えてきました。
しかし、まだまだ旅は続きます。発信という点でもまだまだなので、ここから拍車をかけていきます!

*キャリアパッカープロジェクトでは現在、転載などのメディア連携をして頂けるメディア様を探しております。この記事を見て気になった方は是非お気軽にご連絡して頂けると嬉しいです。


それでは、最後までご覧いただき、ありがとうございました!

(関連記事)
2014年1月31日付
No.153:「今、伝えたいこと。~東南アジアスケボー横断~」(狭間純平さん、一橋大学法学部2年)-エッセイ集 フロンティア・フォーラム http://japangap.jp/essay/2014/01/2-2.html

プロフィール:
狭間純平(Hazama Junpei)
CAREERPACKER PROJECT WEBサイ:トhttp://junpeihazama.com/
Facebook:https://www.facebook.com/junpei.hazama
Twitter  @junpei_hazama

「9ヶ月間、毎日15時間の勉強を経て北京大に入学した理由」higuchisan.jpg


樋口亜希
株式会社Selan代表取締役


【受験失敗】
 高校時代は、ほぼ勉強に費やした3年間でした。小さい頃から、暗記ものが結構好きで、特に世界史に関しては、「好き」を通り越して、「無我夢中」という状態でした。しかし、受験当日。肝心のセンター試験からつまずき、模試で常にA判定だった私大も不合格。

 2007年、青山学院大学に入学しました。青学生としての大学生生活はそれなりに楽しかったのですが、なんとなく心のどこかに「このまま再チャレンジしなくていいのかな...」というわだかまりがありました。

 そんな中、両親に相談したところ、父の母校でもある北京大学を受験してみるのはどうか、という提案がありました。
私の父は日本人、母は中国人で、北京大学は、両親が出会ったきっかけの場所でもあります。しかし残念ながら、私は当時、中国語がほとんど話せませんでした。

 きっと、これは、自分のアイデンティティーを確認するために与えられた機会なのかもしれないと思い、「受験」ではなく、「自分」にもう一度挑戦してみようと決めました。

「思い立ったら、すぐ熟考。」和田さん写真.jpg


和田菜摘
英国サセックス大学 国際関係学・国際開発学部1年


 今、私は人生の岐路に立っていると思う。

人生は長い。そう考えるとたいして大きいことではないかもしれませんが、
今の私からすれば、この選択は大きなものになると思います。

 現在、私はイギリスにあるサセックス大学の国際関係学・国際開発学部1年次に在籍しています。高校卒業後、留学専門学校で1年間英語を学び今年の9月に渡英しました。先月こちらで20歳の誕生日を迎えました。日本人として生まれた私には20歳という誕生日は、これまでの、そしてこれからの私の人生を考えるきっかけとなりました。


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